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第323話*
「幸せ、だったんだ……」
「? 何が?」
「ずっと、あなたの夢を見ていたんだ……!」
そう言ったら、兄の動きが少し止まった。
アクセルはすすり泣きながら、更に言った。
「兄上のベッドは、兄上の香りがして……その布団にくるまっていたら、兄上に包まれているような心地がして……俺、本当に幸せで……。おまけに、夢の中でも兄上が出て来てくれたから……他愛のない日常だったけど、それが嬉しくて……。ずっと、無意識に『目覚めたくない』って思ってたのかもしれない……」
「そうなんだ……」
「でも、あなたの言う通り……本当は、こうなる前に起きなきゃいけなかったんだよな……。こんなんじゃ、寝込みを襲われたらひとたまりもない……。反省している……」
「そうだねぇ……」
「うっ……!」
兄が奥を突き上げて来て、思わず息が詰まった。
「……まあ、私のベッドで寝ちゃったことも、起きられなかった原因のひとつかもしれないね。お前が小さな頃はよく添い寝してたから、その匂いを覚えてたのかも」
「あっ、あっ……!」
「それならそれで、また条件を変えて実験してみないとね。今度は全然違う場所で試してみよう」
「うぅ……んっ! ふ、く……う」
いや、もう試さなくていい……と言いたかったが、結局言葉にならなかった。
下肢の疼痛が限界に達し、溜まりに溜まった熱が先端からだらだら溢れてくる。生理的な涙がまた滲み、目尻からポロリと流れ出す。
もうどのくらい我慢させられているのだろう。出したいのに出せなくて、雌のようにイかされ続け、抵抗することもできないまま、一方的に攻められる。このままでは頭がおかしくなりそうだった。
とうとう我慢できなくなってアクセルは泣きながら叫んだ。
「兄上、もう解いてくれ……っ、出したぃ……っ!」
「ああ、ごめん……そうだったね」
兄が身体を起こし、両腕に絡まっていたシャツを抜いてくれる。次いで、欲望の根本に食い込んでいた紐を解こうとしたのだが……。
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