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第327話*

「ありゃ、挿れただけでイっちゃった。ずっと我慢してたんだから当然か」 「はう……う……ああ……」 「本当にエッチな身体になったなぁ……。慎ましいお前をここまで開発できて、お兄ちゃんとっても満足だよ」 「ひあっ!」  後ろから腰を突き上げられ、引きつった悲鳴が上がる。絶頂時の快感が止まらなくなり、だらだらと股間から熱を放出し続けた。  強すぎる快感に意識が飛びそうになっているのに、兄はアクセルの両腕を後ろから手綱のように掴み、思うさま律動を開始してしまう。 「あっ、あっ! だめ兄上、動かないでぇ……っ!」 「ごめんね、お前の中気持ちよすぎて。つい腰が動いちゃうんだ」 「ひぐッ! うあっ! ムリ、激しぃ……っ!」 「激しい方がいいだろう? これからしばらく交わえなくなるんだから……。身体にたっぷり刻み込んでおかないと」 「そっ……ああぁん! 兄上……待っ、まだイってるからぁ……!」  自然と背中が反り返り、布団の上でぜいぜい呼吸を繰り返す。  その間も痺れるような快感は途切れず、アクセルはぐったりと身体を沈み込ませた。一度攻め始めると兄は意外と容赦なく、こちらを気絶寸前まで追い込んでくることもままあるのだ。  正直、むちゃくちゃだと思うがギリギリのところで失神はさせないところが、またなんともテクニシャンだと思う。飛びそうになると力を緩め、柔らかい刺激を送り、アクセルの意識を引き戻させる。  それをやられると、もう限界だと思っていた身体が勝手に反応してしまって、底なしの快楽を味わわされる羽目になるのだ。理性も飛びかけ、意識も朦朧とし、果てしない快感に溺れてしまう。 「うう……ん、あ……あ、兄上ぇ……」 「……ふふ、すごい顔してる。快感に染まったお前の顔も、好きなんだよなぁ」 「あ……あっ、兄上、俺……もうっ……」 「ああ、もう限界なんだっけ? じゃあお前がバルドル様の元へ行くまで、いっぱい交わっておこう。家でも外でも……ね?」  何かとんでもないことを言われたが、今のアクセルには反論する気力もなかった。

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