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第328話*

 身体を押さえ込まれ、バツン、と腸の曲がり角を抉られ、がくんと腰が砕けてしまう。 「あふ……あ、ひ……ぃ……んっ、んッ!」  半開きになった唇から、唾液が溢れて伝い落ちる。指先まで痺れて力が入らず、喘ぐ元気もなくなってきた。  身体に食い込んでいた兄の肉棒が、ドクンと大きく脈打つ。 「うっ、う……っ――っ!」  声にならない悲鳴を上げ、アクセルは全身を痙攣させた。受け止めきれない快感に飲み込まれ、意識が真っ白に混濁する。腹の中にたっぷりと熱を注ぎ込まれて、下肢が一気に重苦しくなった。 「は……あ、あ……っ……」  引き抜かれていく瞬間にすら感じてしまい、ぴくぴく肩を震わせる。  自分で言うのも何だが、本当にはしたない身体になったものだ。慎ましくいようと思っても、兄に抱かれるとどうしようもなく反応してしまう。回数を重ねるにつれて感度が上がり、細かい刺激も快感として拾えるようになってしまって、淫らさに拍車がかかる。  今更元には戻せないけど、何も知らなかった初心な自分が少し懐かしかった。 「ありゃ、漏れてきてる。こっちもすっかり緩んじゃったね」 「っ……!」  後孔から溢れた白濁が、つつ……と太ももを伝って流れ落ちてくる。これも以前はきちんと閉じていたのに、今や完全に兄の形に順応してしまったようだ。  兄が緩んだ入口に軽く指を突っ込んでくる。 「ふふ、嬉しいな。どんなに柔らかくなっても、入れるとすぐに吸い付いてくる。お兄ちゃんのこと歓迎して、全部受け入れてくれてるよ」 「あっ、あっ……」 「ねえアクセル、一年間離れ離れでも、私のこと忘れちゃだめだよ? ちゃんと身体の方も覚えておいてね」 「わかってる、って……!」  不要な心配だ、と思った。自分が兄のことを忘れるはずがない。心も身体も兄のことでいっぱいで、例え忘れようと努力しても忘れられそうになかった。  どんなに離れていても、ずっとずっと一緒だ。 「兄上こそ、次に会った時……『誰だっけ?』なんて、言わないでくれよ……?」

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