350 / 2197

第350話*

 欲しいか欲しくないかで言えば……当然のことながら、欲しい。兄に愛されることを想像しただけで下肢に熱が集まり、身体の奥がキュンキュン疼いてくる。  とはいえ、それを正直に言うのは憚られた。赤くなった顔を見れば明らかなのだが、直接的な表現を口にするのは、未だにものすごく恥ずかしかった。  アクセルは両手で顔を覆いながら、呟いた。 「……勘弁してくれ……」 「ふふ、可愛いなぁ。そういう初心な反応してくれるところ、大好きだよ。そのくせ抱いたらものすごくエッチなところも、たまらないよね」 「っ……!? そ、それは、兄上がそういう風に教育したから……!」 「うんうん、そうだよね。そういうことにしとこう」 「兄上っ……!」  こちらをからかうように笑うと、兄はシャツの裾から手を突っ込んできた。服の下で素肌を撫で、鍛えられた腹筋の感覚を味わうと、更に手を伸ばして胸元を触って来る。 「っ……あ……」  指先が突起に掠め、思わず甘い声が漏れた。掠めるだけでなく、くりくりと指先で捏ねられ、軽く引っ張られたりつねられたりした。  そうされる度に身体がぴくぴく震えてしまい、はしたない声も抑えられなくなった。 「兄上……そこはいいって……」 「そう? でも触って欲しそうな色になってるよ」  胸元までシャツを捲り上げられ、赤く腫れた乳首をまじまじと見られてしまう。  さすがに恥ずかしくて、アクセルは捲れたシャツを掴んで元に戻そうとした。 「あ、兄上がそんなところ弄るからだよ……!」 「ありゃ、隠しちゃうの? せっかくだからお兄ちゃんに見せてよ」 「恥ずかしいから嫌だ……!」 「お前は本当に恥ずかしがり屋だなぁ。そういう反応すると、もっと恥ずかしいことしたくなっちゃうんだよね」 「あっ……!」  いきなりズボンを掴まれたかと思うと、下着ごと一気に脚から引き抜かれてしまう。  あっという間に下半身を剥き出しにされ、挙句に両脚を鼠径部から折り畳まれてしまった。太ももの間から兄の顔が見える。  尻を兄に突き出すような体位にされ、あまりの羞恥にくらくらした。

ともだちにシェアしよう!