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第362話*

 口では限界を訴えていても、刺激されるとどうしようもなく反応してしまう。本当に一体、いつになったら寝かせてもらえるのだろう……と、少し怖くもあった。  明日の死合い、まともに戦えるのかちょっと不安だ……。 「あ、にうえ……兄上……!」  アクセルは兄の手を握り、肩越しに振り返って訴えた。 「好き、だ……あなたが好き……だから、ずっと一緒が、いい……」 「うん、私も……。離れていてもずっと一緒だよ……可愛いアクセル」 「うぅ……ん」  吸い付くように唇を塞がれ、うっとりとそれに応える。  本当はずっとこうしていたいけど、区切りの時は必ずやってくる。夜は永遠には続かないし、人質に出掛ける日も近づいてくる。  だから、いつ何があっても寂しくならないように、気持ちはちゃんと伝えたかった。言いたいことを言って、存分に温もりを感じて、兄の全てを自分の心身に刻み込みたかった。  そうしておけば、例え離れていても耐えられる……きっと。 「ああ、あ……兄上……俺、ほんとにもう……」 「うん、私も出ちゃいそう……。また中でいい?」 「出して、くれ……。兄上の、いっぱい……いっぱい……」  そう言った瞬間、兄のものが体内でドクンと脈打った。それを感じた途端、内側の肉もキュンキュン疼き、欲望を搾り取るように縮こまる。 「う、う……うんん――ッ!」 「っ……」  最後は二人同時に昇りつめた。  キスをされたまま腹の中にも熱を注ぎ込まれ、その幸福にとろけそうになる。どうしようもなく愛しくて、どこからが自分でどこからが兄かわからなくなりそうだった。 「あ……に、うえ……」 「うん……愛してるよ、私のアクセル」  名残惜しそうに、兄がゆっくり腰を引いて行った。無意識に身体が「離れたくない」と訴えているのか、中の襞が兄に纏わりついて、抜いた瞬間ちゅぽん、といかがわしい音を立てた。

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