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第394話
「え? あれ? なんで……」
「本当に大丈夫? どこか具合でも悪いの?」
「いえ、そんなことは……。というか、俺……もしや寝てました……?」
「そうなのかな? ノックしても返事がないから様子を窺ったら、床に倒れてて……。頭ぶつけて気絶したとかじゃないだろうね?」
「いえ、そういうことは全く……」
アクセルは頭を抱えたくなった。
兄とのことをあれこれ考えていたら、いつの間にか夢の中にいたようだ。床で居眠りとか、どれだけ気が抜けてるんだ。自分でもびっくりである。
――自分の家じゃないんだぞ! もっとしっかりしないと……。
アクセルは頭を振って立ち上がった。そして机の上に置きっぱなしのポストの設計図をバルドルに見せた。
「それよりバルドル様。新作のポストですが、こんな感じでよろしいですか?」
「へえ……これは随分大きくなっているね。今のポストの二倍以上はある」
「地面に設置するので、多少大きくても丈夫なものの方がいいかと。あと、投函口と回収口ももっと大きく設計しました」
「なるほど……。アクセルはこういう設計も得意なんだね」
「あ、いえ……得意というほどでは。ただ寸法とかを細かく決めておかないと、いざ組み立てようとした時、パーツが合わなくなるかなって」
「そっか……すごいなぁ。私なんかこういうの全部適当だから、同じパーツを切り出しても何故かサイズがバラバラになっちゃう」
「そ、そうですか……」
ちょっと苦笑いし、アクセルは再度尋ねた。
「どうします? ポスト作りますか? それとも、予定通り鍛錬しますか?」
「私はどっちでもいいかな。でもきみはポストを先に作りたいんじゃないの? 毎日お兄さんに手紙を書いているんだろう?」
「ええ、まあ……」
「じゃ、ポスト作りからにしよう。鍛錬はその後ね」
おっと、その前に昼食の準備をしないと……と言って、バルドルは厨房に向かった。
アクセルも一緒について行こうとしたが、
「私がご飯の準備をするから、きみはその間にポスト作りの道具を揃えて来てくれないかな?」
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