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第397話

「ところで、ノコギリや斧は見つかった? この倉庫、ごちゃごちゃしてて私じゃなかなか見つけられなくて」  ……そりゃあ、こんな乱雑に物が放置されていたら目的の道具を探すのも一苦労だろう。  アクセルはやや苦笑し、言った。 「バルドル様。俺、今日から倉庫の掃除をしようと思います。それで不要なものは処分して、棚も整理整頓します。そうすれば、かなり使いやすくなるかと」 「え、ほんと? 掃除してくれるの?」 「はい、時間はたっぷりありますので。いっそのこと、お屋敷の部屋を片っ端から掃除していきましょうか」  そう言ったら、バルドルはぱあっと顔を輝かせた。 「ありがとうアクセル! この屋敷、整理整頓されてないところが多くてさ。自分でもどこから手をつけていいかわからなくて、困ってたんだ。きみが一緒に掃除してくれるなら、すごく助かるよ!」 「は、はあ。そんなに手付かずの部屋が多いんですか……」 「うん、恥ずかしながら。自分が生活する場所が確保できていれば、そんなに困らないからさ。他は全部物置きみたいになっちゃうの。片付けが進まないんだよね」  ……掃除すべき場所はたくさんありそうだ。  ――まあこれだけ雑だと、掃除する気力も失せるよな……。  しかもバルドルは一人暮らしだし。滅多にお客様も訪ねてこないから、「自分の生活スペースだけ綺麗ならいいや」と開き直ってしまう気持ちもわかる。  アクセルはちょっと苦笑いをこぼし、ポスト制作用に集めておいた道具を示した。 「それと、ノコギリややすりですけど、ボロボロでこのままでは使い物にならない状態でした。これは処分して新しいものを購入しますか? それとも、根気よく研ぎますか?」 「あー……そうだなぁ。きみが『研ぎたい』って言うなら研いでもいいけど。処分して新しいのを用意した方が絶対早いよね」 「それはもちろん」

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