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第418話

 ――あれ、やっぱりそういうことだよな……?  あえて聞きはしなかったが、あれだけ仲良しで同じ部屋で眠るとなれば、やることはひとつしかない。まるで自分と兄を見ているようで、アクセルも気恥ずかしくなった。  これ以上廊下にいるのもいたたまれず、急いで自室に閉じこもって鍵をかける。  兄に手紙を書こうとペンをとりかけたけど、どうも考えがまとまらなくて一端ペンを置いた。 「…………」  部屋のベッドに座り込み、耳をすませる。  場所が離れているから何も聞こえないけど、バルドルの部屋では今頃愛の営みが行われているに違いない。どっちがどっちかわからないが……案外、ホズが下側メインなのかもしれないなと思った。だとしたら、そこもまた自分たちと同じだ。 「っ……」  想像したら更に恥ずかしくなってきて、アクセルはベッドの上でゴロゴロ転がり回った。  自分のことじゃないのに、ものすごく嬉しい。  普段は独りぼっちのバルドルにも、ちゃんと愛する弟がいるのだ。たまに会えた時は、ああして愛し合っているのだ。ホズと一緒にいる時だけは、寂しそうな顔をしないで済むのだ。だから嬉しい。  ――一緒に暮らせばいいのに。  神には「それぞれ別に暮らす」という掟でもあるんだろうか。アクセルにはよくわからないが、できることなら二人には一緒に暮らして欲しい。その方がお互い幸せだと思う。  ひとしきりゴロゴロ転がり回ったところで、アクセルはむくっとベッドから起き上がった。そして机に戻って兄に手紙を書いた。 「兄上へ  俺がヴァルハラを発ってから約二ヶ月経っているが、元気にしているか? こちらの生活は相変わらず平和で、のんびりしたものだ。  こういう平和は嫌いじゃないが、一緒に過ごす相手がいないと退屈だなとは思う。ヴァルハラでの生活がちょっと懐かしいよ。あそこはよくも悪くも、いろんなことが起こるからな……。

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