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第421話(フレイン視点)
「しかし、我々もラグナロクがどんなものか知らされていません。神々との戦争だとしたら、たかがエインヘリヤルが神に傷をつけられるとも思えません。何しろ我らは元々人間ですし」
「神に普通の武器が効くとも思えないしねぇ……。もしかして今回の審査、単純なランクの他に別の意味もあったりして」
「別の意味か……。まあそう考えるのが筋だろうな。どんな意味があるかは推測するしかないが」
「あなた方はどんな意味があると思います?」
「そうだな……私は……」
「神の武器を使えるかどうか、じゃない?」
キャンディーに夢中になっていたはずのミューが口を挟んできた。彼は天井を見上げたまま、いつもの口調で言った。
「ラグナロクは神々との戦争なんでしょ? 戦う相手は当然神だ。となれば、神に効く武器を使えるようにならないといけない。まあ武器なのか魔法なのかは知らないけど、『神の武器を使えるかどうか』も選考基準になってると思うよ。そうじゃなかったら、僕らまでこうやって閉じこめられるのはおかしいもん」
「そうだね……いつもは選考スルーだったし。ミューの考えは十中八九当たってるかもね」
だとするなら……と、フレインは思った。
――人質に出たままの弟はどうなるんだろう……。
本来なら、アクセルもラグナロクに向けて「神の武器――神器を使えるかどうか」の選考にかけられるはずだった。
我が弟は筋がいいから何かしらの武器は使えると思うけど、選考を受けられなかったら一体どうなるのだろう。神器を与えられないままラグナロクに突入したら、いざという時に困るのではないか。丸腰で神々と対峙することになってしまう。
――せめて手紙を出せればなぁ……。
再び溜息をつきそうになり、直前で深呼吸に切り替える。
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