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第427話

「それ、いつ!? いつ開かれるんですか、そのパーティーは!?」 「えっと……二ヶ月後くらいだったかな。ヴァルハラ全体を貸し切るから、いろいろ準備が大変らしくて。全世界の神が集合するから、かなり規模も大きくなるんだ」 「二ヶ月後ですね……わかりました!」  逸る気持ちを抑えるように、きちんと椅子に座り直す。  だけど、あと二ヶ月で兄に会えると思うと、頬を緩まさずにはいられなかった。  ――四ヶ月ぶりだ……!  今からわくわくが止まらない。そこまでたいした期間じゃないのに、何故こんなに楽しみになるのだろう。兄と死別してからの十一年の方が遥かに長かったというのに、不思議なものだ。  もしかすると、バルドルとホズの仲良しっぷりを目の前で見せつけられたせいかもしれない。いや、そこまで羨ましく思うわけではないが……。  ――兄上に会うなら、少しでもたくましくなった姿を見せなくては。  兄上と会った時、もしかしたら手合わせする時間もとれるかもしれない。その時にみっともない姿を見せないよう、今からもっと鍛錬しておかなくては。  昨日ホズに教わったように、「目に頼らない戦い方」ができれば兄にも引けをとらない実力が手に入るはずだ。 「ホズ様、朝食が終わったらまた稽古をつけてくれますか?」 「ああ……まあ、かまわないが」 「ありがとうございます! 頑張ります!」 「ははは、張り切ってるね。何にせよ、頑張るのはいいことだよ。くれぐれも怪我をしすぎないようにね」  と、バルドルが軽く笑ってくる。ホズは何も言わずに目の前のパンを千切っていた。  ――兄上……。  兄に会ったら、直接言いたいことが山ほどある。やりたいこともたくさんある。それを考えたら、何だかものすごく楽しくなってきた。  アクセルは一生懸命真顔を保ちながら、朝食を平らげた。

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