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第477話
「選考の順番が来るまで、ずっと一ヶ所に隔離されてたよ。牢屋みたいなところに入れられて、決まった時間になると外に出されて、みんなでご飯食べたりしてたな」
「……え? そんな囚人みたいな生活をしていたのか? もっと自由な生活はできなかったのか?」
「私も、囚人みたいだなと思ってたけどね。私だけじゃない、他の連中もみんなそう思っていたよ。ユーベルなんか『なんて無粋なのでしょう!』って嘆きまくってたし」
「……まあ、ユーベル様ならそう言うだろうな」
少し苦笑し、アクセルは続けた。
「ということは、急いで戻ったところで囚人みたいな生活になるだけってことか……」
「いや、これはあくまで神器選考会の最中の話。選考会が終わった後、すぐにあのパーティーが始まったから、私たちも今後どこで生活していいかわからないんだ」
「わからないって、そんな……」
「まあ、最悪仮設住宅みたいなのを作れば何とかなるし、案外すぐにラグナロクが始まるかもしれないし。どうにでもなるでしょ」
「……そんな能天気な」
女王様、やっぱり兄上の方が能天気だと思うぞ……と、心の中で呟いたら、兄はにこりと目を細めた。
「お前も、お兄ちゃんと一緒ならどこで生活しても大丈夫だよね」
「えっ……? あ……まあ、それは……もちろん……」
「ふふ、じゃあ早く戻って二人きりでイチャイチャしようね」
「っ……!」
あながち冗談とも言えない口調でそんなことを言われ、アクセルはかあっと頬を染めた。
基本的な生活スペースも、プライベート空間もないかもしれないのに、一体どこでイチャイチャするというのか。
――いやでも、兄上だったら板一枚しか仕切りがない場所でも平気でやりそうだ……。
そんな羞恥プレイ、さすがに御免だぞ……と考えかけたところで、ぶんぶんと首を振る。
何を考えているんだ、俺は! 今はこの岩を割るのが先だ。赤面している暇があるなら手を動かさねば!
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