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第528話(フレイン視点)

「ようフレイン。それに弟くんも、どこをほっつき歩いてたんだ?」 「戦場にも出ないで何をしてたんでしょうね? 我々は毎日こき使われて、さすがに疲労が溜まってきましたよ」  と、愚痴っぽいことを言うジークとユーベル。  対してミューはいつものペロペロキャンディーを咥えながら、「相変わらず兄弟仲良しだなぁ」なんて言っている。  とりあえず全員無事ではあるが、いつもの戦闘服が汚れたり千切れたりしていた。擦り傷や掠り傷も多く、満身創痍だということが窺える。ユーベル曰く「こき使われている」のは、大袈裟な表現でもないようだ。  フレインは少し苦笑して答えた。 「やあみんな。お疲れ様だね」 「フレインもアクセルもお疲れさま~! とうっ!」  言うやいなや、ミューがドボンと泉に飛び込んでくる。他の二人も続けて飛び込んできた。無駄に水飛沫が上がって少し迷惑した。  ミューが頭だけ出してこちらに泳いでくる。 「そっちもいろいろあったみたいだねー。僕はてっきり、また二人でイチャイチャしているのかと思ったよ」 「そうだったらよかったんだけどね。残念ながらそんな暇はなかったんだ。正直、ロクにご飯も食べられていないんだよ」 「ふーん? それは大変だねー。飴でも食べる? 僕の食べかけだけど」 「……いや、さすがにいらないかな……」  めぐんでくれるなら、せめて食べかけではなく新品が欲しいところだ。 「傷を癒したら食事をしに行けばいいでしょう。もっとも、薄暗い地下で食事をとるのは、個人的にはやや優雅さに欠けますけどね」  そう言って、ユーベルが長い髪を解く。そして温泉のように水に身体を浸し始めた。  ジークは豪快に衣装を全て脱ぎ、下着一枚になって遊泳している。  それを横目で眺めつつ、フレインは聞いた。 「他の連中はどうなった?」 「ああ、みんな元気だぜ。ランゴバルトなんかめっちゃ生き生きしてやがる。強敵ばかりで嬉しいんだとよ」 「……それは彼らしいね。しかしこの戦い、いつになったら終わるんだろう」

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