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第542話*

 けれどどう頑張っても高められた快感を逃がすことはできず、ぞくぞくしたものが背筋を駆け上ってくる。 「っ……ん、ん――ッ!」  びくん、と全身が大きく跳ねた。泉の水もバシャッと跳ねた。  視界が白く灼け、爪先まで甘い痺れに満たされて、身体の力が抜けていく。  とうとう立っていられなくなり、アクセルは泉の岸辺に倒れ込んだ。  どれだけ熱を出したのかもわからないまま、ぴくぴく身体を痙攣させて湿った吐息を漏らし続ける。 「あっ……あっ……」 「随分派手にイったね。大丈夫?」 「っ……あ、んっ……!」  ちょっと輪郭を撫でられただけでも、びくっと肩が震えた。全身が性感帯になったみたいに敏感になり、ほんの少しの刺激でも過敏に反応してしまう。  起き上がる気力もなく、しばらくそこでぶるぶる震えていると、 「っ……!?」  尻の割れ目を硬いものでなぞられるのを感じた。  ぎょっとして肩越しに兄を見たら、案の定自分の欲望を割れ目に擦り付けていた。その気になれば今すぐにでも挿れられる状態らしく、割れ目の奥に潜んでいる秘蕾を押し広げるように、硬い肉幹を当ててくる。  ざらっとした感覚と太い血管の気配を感じてしまい、それでまたぞくぞくした。後ろの孔が物欲しそうにひくひく収縮し、無意識に腰が揺れてしまう。 「ふふ、お前も随分欲しがってるね。そんなに待ちきれないのかな?」 「そ……れは……あっ」 「私も待ちきれないんだ。久々に味わうお前の中、どんな感じだろう……」 「っ……」 「さて、そろそろ……」  兄が腰を進めようとした次の瞬間、胸元に入れていたヤドリギが急に反応した。 「うわっ!」 「おお?」  いきなり熱くなったかと思うと、種から緑色の柔らかな枝が無数に生えてきて、アクセルを守るように全身に纏わりついた。

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