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第543話*

 ――何だこのヤドリギは……!  脇の下を通って背中を這い、腰の裏側から股間にまで枝が伸びてくる。尻の割れ目を擦っていく枝にも身震いしたし、大事なところを締め付けるように纏わりついてくる芽にもぞくぞくした。  というか、何故よりにもよって今枝が生えてくるんだ! これじゃ守るどころか大ピンチじゃないか! 「ありゃ、これはすごい。お前の神器、こんなところでも反応するんだねぇ」  さすがの兄もびっくりして目を丸くしている。  ただ驚いているだけならまだしも、身体中ぺたぺた触ってくるのは勘弁して欲しかった。これでは余計にぞくぞくしてしまう。 「縛り方はちょっと雑だけど、緊縛プレイみたい。腕を縛るくらいならやったことあるけど、こうやって全身縛るのはまだやったことないよね」 「そ、そんなのいいから助けて……」 「でもこのヤドリギはあくまでお前を助けるために伸びてきたんでしょ? だったらこのままにしといた方がよくない?」 「いいわけないだろ……! こんな、変なところ縛られた状態なんて……」 「緊縛プレイってのはそういうものだよ。せっかくだから体験しておきなさい」 「えっ!? ちょ、ちょっと……!」  いきなり身体を仰向けにひっくり返され、泉の岸に寝かされる。そしてがばっと両膝を割り開かれ、大事なところを剥き出しにされてしまった。 「ふふ、こんなところにも絡まってるなんてね。男の急所を守るって意味では、間違ってないのかもしれないけど」 「っ……」  兄に陰部をまさぐられ、思わず息が詰まる。  M字に脚を開かされるだけでも十分恥ずかしいのに、ヤドリギが絡まった股間まで弄られて、本当に顔から火が出そうだった。  しかも兄が弄れば弄るほど、ヤドリギも対抗するように反応し、よりきつく枝が絡まってくるから始末に負えない。陰茎の根本に柔らかな枝が纏わりつき、キリキリと締め付けるように食い込んでくる。  ここを縛られたことは初めてではないが、失神しそうなほど苦しかった覚えがあるので、縛るのだけは勘弁して欲しかった。

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