548 / 2200
第548話*
敏感な身体をこれでもかと揺さぶられ、今にも振り落とされてしまいそうだった。
「……私ももう限界かな。中に出していい……?」
「い、いから、早く……うっ!」
細かいことは何も考えられない。官能的な熱に灼かれ、思考が溶かされ、与えられる快楽に飲み込まれる。全身が兄の遺伝子を求めているのか、打ち込まれた欲望を無意識にぎゅうっと締め付けてしまった。
「ああっ、あ、あっ……またイッ……!」
「アクセル」
「んんッ……!」
兄が身体を倒してこちらの唇を塞いでくる。口内をねっとり犯される快感ももちろんだが、身体を倒されたせいでより深いところに先端が当たる。それもまたよかった。本当にめまいがしそうなほど心地よかった。
――ああ、やっぱり俺……兄上が一番……。
死者の国に堕ちても、ラグナロクの最中でも、滅びの危機に瀕していても。
兄と一緒なら何だって幸せ。もう二度と死に別れたくない。心も身体も繋がったまま、どこまでも一緒にいたい……。
どくん、と体内で兄が脈打った。溜まっていた涙もぽろりと零れ、ぞくぞくしたものが一気に背骨を駆け上がってくる。
「んっ、んっ……うんんーッ!」
「っ……」
次の瞬間、兄の熱が体内で弾けた。夥しい量の愛液が腹の奥に注ぎ込まれ、下腹部が張るような感覚に陥った。
同時に自分の身体もがくんと大きく跳ね、太ももをぶるぶる震わせつつ、びくびく全身を痙攣させる。あまりにイきすぎて、出したのかどうかもすぐにはわからなかった。
「んっ、あっ……あ……あ」
「……ふふ、やっぱりお前の中が一番心地いい。本当に幸せ」
そんな言葉を耳元で囁かれたせいで、反射的に胸が高鳴った。それでまた無意識に肉襞がきゅうっと収縮してしまった。
「あっ、あっ……!」
「はは、お前また締め付けてきてるよ。そんなにお兄ちゃんのこと好きなんだね」
「好き……兄上、好き……大好き……」
「うん、私も愛してるよ……可愛いアクセル」
「……うッ!?」
ともだちにシェアしよう!