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第548話*

 敏感な身体をこれでもかと揺さぶられ、今にも振り落とされてしまいそうだった。 「……私ももう限界かな。中に出していい……?」 「い、いから、早く……うっ!」  細かいことは何も考えられない。官能的な熱に灼かれ、思考が溶かされ、与えられる快楽に飲み込まれる。全身が兄の遺伝子を求めているのか、打ち込まれた欲望を無意識にぎゅうっと締め付けてしまった。 「ああっ、あ、あっ……またイッ……!」 「アクセル」 「んんッ……!」  兄が身体を倒してこちらの唇を塞いでくる。口内をねっとり犯される快感ももちろんだが、身体を倒されたせいでより深いところに先端が当たる。それもまたよかった。本当にめまいがしそうなほど心地よかった。  ――ああ、やっぱり俺……兄上が一番……。  死者の国に堕ちても、ラグナロクの最中でも、滅びの危機に瀕していても。  兄と一緒なら何だって幸せ。もう二度と死に別れたくない。心も身体も繋がったまま、どこまでも一緒にいたい……。  どくん、と体内で兄が脈打った。溜まっていた涙もぽろりと零れ、ぞくぞくしたものが一気に背骨を駆け上がってくる。 「んっ、んっ……うんんーッ!」 「っ……」  次の瞬間、兄の熱が体内で弾けた。夥しい量の愛液が腹の奥に注ぎ込まれ、下腹部が張るような感覚に陥った。  同時に自分の身体もがくんと大きく跳ね、太ももをぶるぶる震わせつつ、びくびく全身を痙攣させる。あまりにイきすぎて、出したのかどうかもすぐにはわからなかった。 「んっ、あっ……あ……あ」 「……ふふ、やっぱりお前の中が一番心地いい。本当に幸せ」  そんな言葉を耳元で囁かれたせいで、反射的に胸が高鳴った。それでまた無意識に肉襞がきゅうっと収縮してしまった。 「あっ、あっ……!」 「はは、お前また締め付けてきてるよ。そんなにお兄ちゃんのこと好きなんだね」 「好き……兄上、好き……大好き……」 「うん、私も愛してるよ……可愛いアクセル」 「……うッ!?」

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