562 / 2013

第562話(フレイン目線)

 フレインは小さく息を吐きながら、言った。 「それじゃあ、第三の方法は事実上不可能じゃないか」 「そうなるねー。でも第一、第二の方法は、最終的に僕たち全員が滅びちゃうわけだから。最悪、誰かを犠牲にして石碑を破壊してこないといけないのかなーなんて」 「犠牲……ね」 「ま、あまり後味がいい作戦じゃないわな。それ以前に、石碑がどこにあるか突き止めなきゃならん。大勢が生き延びるには第三の方法が一番なんだが、ハードルが多すぎるのが問題だ」 「そういうわけなので、わたくし個人としてはもっと別の方法を考えたいですね。と言ってもなかなか難しいので、我々も考えあぐねているところですが」 「なるほど……」  三人が話し合った結果を理解しつつ、フレインは顎に手を当てた。  ――何も知らない誰かをけしかけて、石碑を破壊させに行くっていうのはナシなのかな。  こんなことを思いつくなんて、自分でもなかなか性格が悪い。  でも、どうせラグナロクで戦死してしまうのなら、石碑を破壊して消えたところで似たようなものではなかろうか。その人が存在した痕跡すらなくなってしまうのは残念だが、その犠牲によって他の全員が助かるならそうすべきなんじゃないかと思う。  ただ、その役目を自分やアクセルが背負わされることになったら……その時は全力で止めなければならない。  ――死ぬ時は一緒だって、約束したからね……。  フレインはユーベルが用意してくれたお茶を飲み、気持ちを落ち着かせて、言った。 「とりあえず、万が一に備えて石碑の居場所は突き止めておいた方がいいと思うな。どこか目星はついてるのかい?」 「そう思って、それっぽいところはある程度絞り込んでおいたぜ」  再びジークが地図を指さす。

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