596 / 2014

第596話*(フレイン~アクセル視点)

「ん……」  アクセルが寝返りを打とうとする。無意識にフレインの手から逃れようとしているのか、もぞもぞとピピに寄り掛かっていく。ふかふかの体毛が弟に纏わりつく。 「ぴー……」  やはり気になるのか、ピピが呆れた目でこちらを見てきた。あんたら、こんなところで何やってるの……という声が聞こえてくるようだ。  まあ咎められたところで止める気はないのだが、ピピにしてはいい迷惑だろう。 「ごめんね、ピピちゃん。アクセルが全然起きてくれないものでさ。オーディン様の眷属(エインヘリヤル)ともあろう者が、こんなことじゃいけないよねぇ?」 「ぴ……」 「というわけで、ピピちゃんは気にしなくていいんだよ。悪いのはアクセルだからね。私はあくまで、弟の危機意識を試しているだけだからね」  そうなんだろうか……と疑いつつも、ピピは諦めて再び地面に寝そべった。「おかしな兄弟だなぁ」と思われただろうが、危機意識を試しているのは間違いではない。  フレインは密かに口角を上げ、弟の身体を弄り続けた。  膨らんだ股間を揉み、硬くなった乳首を捻り、もう片方は舌先で刺激してやる。ちょうどいい具合に弾力があって、舌に粒が引っ掛かる感触がたまらなかった。色も薄ピンクからいやらしい赤に変わっており、「もっと弄ってくれ」と誘っているようにも見える。 「……随分な魔性だよね、お前」  自分の前側がきつくなってきたのを感じながら、フレインは突起に歯を立てた。 「ひあっ……!」  その途端、アクセルが悲鳴を上げて跳ね起きた。 ***  強烈な刺激に襲われ、反射的に身体が跳ね上がった。びっくりして目を開けたら、自分に覆い被さっている兄が見えた。 「おや、もう起きたのかい? 今回は前回より早かったね」 「あ、兄上!? 何してるんだこんなところで!」 「何って、ちょっと実験。お前の危機意識はどのくらい進化したかな~って」 「そんな……あっ!」  やや強めに乳首を捻り上げられ、自然と声も大きくなった。もともと敏感な身体なのに、起き抜けにこんなことをされては抵抗もままならない。

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