597 / 2013

第597話*

 アクセルは慌てて口に手を当てながら、兄を咎めた。 「ちょ、やめてくれ兄上……! ピピもいるのに……!」 「ああ、大丈夫。ピピちゃん、呆れてるけど何も言わないから。見て見ぬフリをしてるんじゃないかな」 「そんなわけないだろ……! とにかく、早くどいて……」 「でも私、もう反応しちゃったし」 「えっ……?」  驚いて視線を移したら、兄の股間は布を押し上げてしっかり存在を主張していた。  この状況で勃起するってどういうことだ!? と咎めたかったが、自分の膨らみも上から圧迫されて息が詰まってしまう。 「ほら、お前も硬くなってるじゃない。だからおあいこだね」 「違うだろ……! これは兄上が無理矢理……!」 「でもお前、お兄ちゃんに触られるの嫌いじゃないでしょ? 本当に嫌だったらこんなに反応しないもんね?」 「そ、それとこれとは話が……あっ!」  服の隙間から手を入れられ、今度は直接男根を握り込まれる。そのままゆるゆる扱かれて、無意識に腰が揺らめいた。ダメだと思いつつも、兄に刺激されると身体が勝手に反応してしまうようだ。  快感と困惑の狭間で葛藤しながらも、アクセルはどうにか兄の手を掴んだ。やりたい気持ちがないわけではないが、さすがにピピが隣にいる状況では心理的抵抗が大きい。 「兄上、ほんとにダメだって……! こんなところでできないから……!」 「んー……そうかな。誰かに見られるのって病みつきになりそうだけど」  とんでもないことを呟き、兄が喉元までずり上がってくる。そしてアクセルの目の前で勃ち上がった己を取り出し、熱い先端を顔に擦り付けてきた。 「じゃあお前、これ処理してくれる? それなら声も抑えられるし、一石二鳥だよね」 「なっ……!?」 「ほらほら、早くお兄ちゃんをイかさないとずっとこのままだよ」 「っ……」  ぺしぺしと肉幹で頬を叩かれ、少し泣きそうになる。滲んだ目で兄を見上げたが、兄は微笑んでいるだけでやめてくれる気配はなかった。

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