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第601話*

 腹が立って、アクセルは兄の腕を振り解こうとした。 「もう知らない! 兄上なんて大嫌いだ!」 「……あ、そういうこと言っちゃう? 思ってもいないことはなるべく口に出さない方がいいと思うよ?」 「兄上が悪いんだろ! いつも俺をからかって!」 「からかい甲斐があるからね、お前は。ひねくれてないから、反応が素直で可愛いんだ」 「そ……そんなこと言ってもダメだからな! とにかく今日はもうやらない! 顔洗って寝る!」 「へえ? 本当にやらなくていいの?」  と、兄が前に手を伸ばし、服の上から股間を掴んでくる。結構強く握られ、思わず息が詰まった。怒りのあまり、寝ている間に刺激されたままだったのを忘れていた……。 「お前、大きくしたまま一度も出してないじゃない。このまま寝られるの?」 「それは……あっ!」 「遠慮せずに言ってごらん? 『兄上のものが欲しい』って……『今度は下の口にください』って……ね?」 「嫌だ……っ!」  絶対言ってやるか、と硬く口を閉じる。  何もかも兄の思い通りにされるのは嫌だ。だいたい寝込みを襲うこと自体卑怯だし、騙すような真似をしてきたのも許せない。それで面白がって笑っているのも腹が立った。  アクセルがもがいていると、兄はやや呆れたような息を吐いた。そして溜息交じりにこんなことを言われる。 「何で意地張ってるの? 素直で優しいのがお前のいいところなのに」 「そ……っ」 「そういう子は、素直になるまでお仕置きしてあげなくちゃね」 「えっ? あっ……!」  ひょいと身体をひっくり返され、うつ伏せに抑え込まれる。そのまま手際よくズボンを下げられ、一緒に下着も剥かれてしまった。 「ちょ、やだっ……! 離してくれ兄上っ!」 「だめ。もうお仕置きモードに入っちゃった」 「なんだそのお仕置きモードって! 初めて聞いたんだけど!」 「うん、今初めて言った。まあとにかく、今夜はお前が音を上げるまでお仕置きしちゃうから、覚悟してね」 「あっ、あっ……!」  剥き出しになった双丘の狭間に、熱い肉棒を擦り付けられる。

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