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第602話*

 ――って、もう硬くなってる……!?  先程口で処理したばかりなのに、何でこんなに回復が早いのか。本当にこの兄は、顔に似合わずかなり雄っぽいというか……精力旺盛すぎるのではないか。つき合わされるこっちの身にもなって欲しい。  アクセルは兄の下でもがきつつ、空いた手で地面を引っ掻いた。 「やだっ……! やだってば、兄上……!」 「何で嫌なの? こんな中途半端なところでやめる方が嫌でしょう」 「だからそういう問題じゃなく……!」 「じゃあ、どういう問題なんだい? お兄ちゃん、エスパーじゃないから言ってくれないとわからないよ」 「それは……あっ、……ああぁあっ!」  口を開いた途端、兄の剛直を打ち込まれ、嬌声が迸った。  一気に腰を密着させられ、身体を揺するように根本までぴっちり埋め込まれてしまう。 「あう……く……」 「……ねえアクセル、お前は何を怒ってるの? 騙すような真似をしたのは悪かったかもしれないけど、それってそんなに怒ること? あそこじゃピピちゃんがいて気になるから、場所を移して本番やってるだけじゃない。それの何が気に入らないの?」 「っ……」 「長いこと一緒にいるけど、時々お前のことがわからなくなるんだよなぁ……。私はお前のこと、理解したいのに」  その言葉を聞いたら、ますます腹が立ってきた。というより、悔しくてたまらなかった。  アクセルはうつ伏せの状態から上半身を起こした。そして手に力を込めて地面を拳でガン、と殴りつけた。 「……俺だってわからないよ、あなたのことが」 「えっ……?」 「兄上はいつもそうだ……肝心なことは全然話してくれない。ギリギリになるまで適当にごまかして、俺に本当のことを教えてくれない……」 「えっと……それって、さっきのことと関係ある?」 「あなたの本質について言ってるんだ……。俺を軽んじているのは事実だしな……うっ」  先端に腸の曲がり角を突かれて、上半身の力が抜けそうになった。そこをなんとか堪え、アクセルは首を捻った。

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