602 / 1999
第602話*
――って、もう硬くなってる……!?
先程口で処理したばかりなのに、何でこんなに回復が早いのか。本当にこの兄は、顔に似合わずかなり雄っぽいというか……精力旺盛すぎるのではないか。つき合わされるこっちの身にもなって欲しい。
アクセルは兄の下でもがきつつ、空いた手で地面を引っ掻いた。
「やだっ……! やだってば、兄上……!」
「何で嫌なの? こんな中途半端なところでやめる方が嫌でしょう」
「だからそういう問題じゃなく……!」
「じゃあ、どういう問題なんだい? お兄ちゃん、エスパーじゃないから言ってくれないとわからないよ」
「それは……あっ、……ああぁあっ!」
口を開いた途端、兄の剛直を打ち込まれ、嬌声が迸った。
一気に腰を密着させられ、身体を揺するように根本までぴっちり埋め込まれてしまう。
「あう……く……」
「……ねえアクセル、お前は何を怒ってるの? 騙すような真似をしたのは悪かったかもしれないけど、それってそんなに怒ること? あそこじゃピピちゃんがいて気になるから、場所を移して本番やってるだけじゃない。それの何が気に入らないの?」
「っ……」
「長いこと一緒にいるけど、時々お前のことがわからなくなるんだよなぁ……。私はお前のこと、理解したいのに」
その言葉を聞いたら、ますます腹が立ってきた。というより、悔しくてたまらなかった。
アクセルはうつ伏せの状態から上半身を起こした。そして手に力を込めて地面を拳でガン、と殴りつけた。
「……俺だってわからないよ、あなたのことが」
「えっ……?」
「兄上はいつもそうだ……肝心なことは全然話してくれない。ギリギリになるまで適当にごまかして、俺に本当のことを教えてくれない……」
「えっと……それって、さっきのことと関係ある?」
「あなたの本質について言ってるんだ……。俺を軽んじているのは事実だしな……うっ」
先端に腸の曲がり角を突かれて、上半身の力が抜けそうになった。そこをなんとか堪え、アクセルは首を捻った。
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