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第606話*

「ああでも、これもお前がどうしても嫌だっていうなら気を付けるよ? お前に愛想尽かされちゃたまらないもの」 「……うっ」  ぐっ……と改めて最奥を突かれ、短い呻き声が漏れた。  ――またそんな、「嫌」とは言いにくいことを……。  正直なところ、兄に気持ちよくいじめられるのは決して嫌ではない。積極的に「もっと」とは言えないが、与えられる快感を享受して悦んでいるのは事実だ。  それに……。 「……いろいろ言ったけど、やっぱり俺は、兄上がやりたい放題やっている方が好きだ……。下手に遠慮されると、兄上じゃないような気がする……」 「何それ? 私はそんなに自分勝手?」 「……そういう面も多々ある。だけど、そういうところも全部ひっくるめて、俺はあなたが好きなんだ……。本当に嫌なことはさっきみたいに言うし、それに……」 「それに?」 「兄上とこうしていると……なんだか、その……とてもホッとする……」 「……!」 「こんな俺でも、兄上はちゃんと愛してくれてるんだと思えて……」  そう言った途端、兄がガシッと細腰を掴んできた。そのままバツン、と思いっきり腰を叩きつけられ、最奥の一番弱いところを強く抉られてしまう。  不意打ちのような強烈な刺激にとうとう力が抜け、アクセルは地面に突っ伏して全身を震わせた。 「あう……! あ、兄上……何だいきなり……!」 「お前が可愛いこと言うからだよ。どこまで私を惑わせるつもり?」 「惑わせては……んっ! あっ、あ……だめ、そこ……んンッ!」 「……ふふ、今の『だめ』は『とてもイイ』って意味だよね? それくらいはお兄ちゃんもわかるよ」 「ひぅ……っ! あ、待って兄上、出ちゃう……!」  下肢の熱が急に蠢き始め、ぶるぶると首を振る。一度も欲望を解放していないせいか、身体が快感に飢えているようだった。口では「だめ」だの「待って」だの言っていても、本当は甘い絶頂を待ち望んでいる……。

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