606 / 2000
第606話*
「ああでも、これもお前がどうしても嫌だっていうなら気を付けるよ? お前に愛想尽かされちゃたまらないもの」
「……うっ」
ぐっ……と改めて最奥を突かれ、短い呻き声が漏れた。
――またそんな、「嫌」とは言いにくいことを……。
正直なところ、兄に気持ちよくいじめられるのは決して嫌ではない。積極的に「もっと」とは言えないが、与えられる快感を享受して悦んでいるのは事実だ。
それに……。
「……いろいろ言ったけど、やっぱり俺は、兄上がやりたい放題やっている方が好きだ……。下手に遠慮されると、兄上じゃないような気がする……」
「何それ? 私はそんなに自分勝手?」
「……そういう面も多々ある。だけど、そういうところも全部ひっくるめて、俺はあなたが好きなんだ……。本当に嫌なことはさっきみたいに言うし、それに……」
「それに?」
「兄上とこうしていると……なんだか、その……とてもホッとする……」
「……!」
「こんな俺でも、兄上はちゃんと愛してくれてるんだと思えて……」
そう言った途端、兄がガシッと細腰を掴んできた。そのままバツン、と思いっきり腰を叩きつけられ、最奥の一番弱いところを強く抉られてしまう。
不意打ちのような強烈な刺激にとうとう力が抜け、アクセルは地面に突っ伏して全身を震わせた。
「あう……! あ、兄上……何だいきなり……!」
「お前が可愛いこと言うからだよ。どこまで私を惑わせるつもり?」
「惑わせては……んっ! あっ、あ……だめ、そこ……んンッ!」
「……ふふ、今の『だめ』は『とてもイイ』って意味だよね? それくらいはお兄ちゃんもわかるよ」
「ひぅ……っ! あ、待って兄上、出ちゃう……!」
下肢の熱が急に蠢き始め、ぶるぶると首を振る。一度も欲望を解放していないせいか、身体が快感に飢えているようだった。口では「だめ」だの「待って」だの言っていても、本当は甘い絶頂を待ち望んでいる……。
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