607 / 1999
第607話*
「んっ、んっ……ああ、兄上ぇ……」
「うん、いいよ……いっぱい出して……。私もいっぱい出すから……」
「うぅ……んっ、く……」
どくん、と体内で兄が脈打ち、自分のとは違う脈動に身震いした。
「兄上……あ、んんっ……!」
首を捻って振り返った途端、兄に唇を塞がれてしまう。
背後からしっかり手を握られ、上も下も繋がったまま身体を揺さぶられ、アクセルは息苦しい程の快感に酔った。自分からも積極的に舌を絡め、意識的に下腹部に力を込めて兄を締め付けてやる。
「あ、私も出そう……」
「っ……んんッ……!」
兄が一際大きくどくんと脈打ち、間髪入れず大量の遺伝子を中に注ぎ込まれる。内襞を熱いもので濡らされる感覚がたまらず、アクセルもびくびく腰を跳ねさせ、溜め込んでいた熱を噴き上げた。
「うッ……ん、あっ……あぁっ……!」
痙攣するあまり、塞がれていた唇が離れてはしたない嬌声が迸る。
甘い快感に全身が痺れ、がくりと地面に突っ伏しながらぶるぶる身体を震わせた。
「ああ、いい……お前を抱くの、本当に気持ちいい……」
「っ……」
「幸せだなぁ……こういうの……」
囁くようにそんなことを言われ、思わずきゅんと胸が疼いた。
そうか、兄は幸せなのか。こんな自分でも、例え一瞬でも、兄を幸せにすることができるのか。そのことが、この上なく誇らしかった。
アクセルは身体をよじって仰向けになった。そして兄の腰に両脚を絡め、ぎゅっと抱きついた。
「兄上、好きだ……」
「ありゃ、誘ってる? お前も意外と性欲旺盛だね」
「あ、いや……そういうことでは……」
「いいんだよ、私も同じだもん。私たちはあまり似てないけど、同じところもたくさんあるんだよね」
「っ……」
「嬉しいよ、アクセル……」
刺さったままの兄が再び硬くなったのを感じ、アクセルは心の中で苦笑した。
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