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第611話*

「は……う、ん……っ」 「うん、これでだいたい掻き出したかな……と思ったけど、お前また勃っちゃってるね」 「こ、これは……兄上がいきなり後ろを弄るから……!」 「ああ、そうかもしれない。じゃあその責任、とった方がいいよね」 「えっ……!?」  再び兄が上からのしかかってきて、アクセルはびくっと肩を震わせた。  たった今掃除したばかりなのに、また挑もうというのか!? 兄の体力は一体どうなっているんだ!? 「ちょっ……! 兄上待って、これ以上は……」  痺れた身体に鞭打って逃れようとしたものの、後ろから兄にがっちり捕らえられ、ずるずる引き戻されてしまう。そして尻を高く抱え上げられ、敏感になっている割れ目に欲望を擦りつけられた。  それだけでぴくんと肩が震え、ぞくぞくしたものが背筋を這い上がってくる。 「ほんとに待って、もう無理……ぃうっ!」  その途端、ずぶ……と一気に最奥まで貫かれてしまう。既に数え切れないほど兄を受け入れてきた後ろは、兄の形を完璧に記憶してしまったらしく、これといった抵抗もなくあっさり兄を飲み込んだ。  同時に視界が真っ白に弾け、身体が小刻みに震えて止まらなくなる。 「あっ、あ……あ……」 「ありゃ、挿れただけでイっちゃったかな。まあ、これだけイキっぱなしだったらおかしくはないか」 「ふ、く……はぁ……あ」 「ほんとにお前は可愛いね、アクセル」 「……う……っ! く、うぅ……ん、んんぅ」  思った以上にゆっくりした動きに、アクセルは甘い喘ぎ声を漏らした。  今強引に腰を動かされたら失神してしまいそうだったが、限界を超えないギリギリの強さで攻められ、与えられる快感に酩酊してしまう。 「はあっ、あ……あぁん、兄上ぇ……!」 「可愛いアクセル、愛してるよ。何があってもずーっと……」 「お、れも……あなたが好き……! 大好き……!」  泣きながら叫んだら、兄に後ろから顎を掴まれ、強引に振り向かされて唇を吸われた。  吹っ飛びそうになる意識と戦いつつ、アクセルは息苦しい幸せを味わい続けた。

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