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第670話

「それなのに全部予言のせいにして、いつも私は悪者扱い! 私はただ石板の文字を読んでるだけよ! 誰かから責められる筋合いはないわ!」 「……そうか、大変だな」  俺に八つ当たりされても困るんだが……と思いつつ、アクセルは適当に話を合わせた。  そんなことより、ラグナロクを終わらせる方法を聞きたい。石碑を破壊するのは罠っぽいから、できれば別の方法を知りたいものだ。 「それで……結局ラグナロクを終わらせる方法はないのか?」 「だから言ってるでしょ。この石碑を破壊すれば終わるって」 「それは本当なのか? 本当に石碑を破壊して済むのなら、あなた自身がとっくにやっていると思うんだが」 「何言ってるの。私は予言の巫女よ。予言の巫女自身が石碑を破壊できるわけないじゃない」 「それは『できない』のではなく『やりたくない』の間違いでは? 『できない、できない』なんて言っている人は、ほとんどの場合は『最初からやる気がない』か『やりたくないことの言い訳をしている』だけだからな」 「な、何よそれ……」 「この石碑、破壊すると何かしらのペナルティーがあるんじゃないか? 破壊した人が死ぬとか、そういうやつが……。だから俺をそそのかして、石碑を破壊させようとしたんだろ。自分でやりたくないから、俺にやらせようとしたんだろ。違うか?」 「っ……」  巫女がわなわなと震え始める。  彼女の様子から、アクセルは「図星だな」と悟った。発見した勢いで破壊しなくてよかった……。  ――というか、とんでもなく性格悪いな、この人……。  人柄を知るにつけ、余計にイライラしてきた。母の顔と同じということもイライラを冗長させた。  いや、この人……本当に母と無関係なんだろうか。他人の空似という可能性もなきにしもあらずだが、それにしてはところどころ言動が不可解である。唐突に自分の前に現れたのも気になるし……。  この際だからと思って、アクセルは今までの疑問点を巫女にぶつけてみた。

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