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第686話(フレイン視点)
そう言ったら、ピピもうんうんと頷いてくれた。
フレインはピピの背に乗り、ひとまずヴァルハラの中央にある世界樹 の前に行くことにした。
ラグナロクが終わった今、世界樹 の扉もオープンになっている場所が多く、ある程度の制約付きで地上やその他の世界に行くことも許されていた。さすがに最高神・オーディンにはそう簡単に会えないだろうが、他の神には会えるかもしれない。
そのツテを辿ってオーディンに会い、アクセルを復活させる。できないとは言わせない。誰のおかげでラグナロクが終わったと思っているのだ。オーディンが死の運命から逃れられたのは、弟が石碑を破壊したおかげなのだ。その礼くらいしてもらわないと割りに合わない。
そう思いながら世界樹 の前に行くと、そこには数名の戦士がまばらに集まっていた。掲示板を見上げている者もいれば、地上に遊びに行こうとしている者もいるし、ただ談笑をしている者もいる。
――ラグナロク前のヴァルハラとは、だいぶ雰囲気変わったよね。
以前は、スケジュール確認やランキング発表の時くらいしか世界樹 に行くことはなかったのに、随分自由になったものだ。
これもアクセルがラグナロクを終わらせたおかげかと思ったら、少し泣きそうになった。
「ぴー……」
「いや……大丈夫だよ、ピピちゃん。早くアクセルを迎えに行って、自由になったヴァルハラを見せてあげないとね」
気を取り直し、フレインはピピから下りて世界樹 に近付いた。
まずはバルドルのところに行ってみよう。彼は一度死者の国に堕ちたが、ラグナロクのどさくさでホズと一緒に復活したらしい。
その辺りのガバガバな制約はアースガルズの神々ならではの特例かもしれないが、何にせよバルドルは神の中で一番話がわかる。しかもオーディンの愛息子でもあった。これを利用しない手はない。
「あ、フレインだ。やっほー」
早速バルドルのところへ向かおうとしたら、ミューに声をかけられた。
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