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第737話
「それよりお前の死合い、三日後だったね。どう? イケそう?」
「あ、三日後なんですか……」
掲示板の前に立った途端アンリに声をかけられたので、結局スケジュールを確認し損ねていた。いろんな場面で、自分は間が抜けているなと思う。
フレインは続けた。
「相手は真ん中くらいのランクだったけど、お前の実力なら楽勝のはずだよ。狂戦士モードになる必要もない。……あ、でも今のままだとちょっと不安だから、もう少し身体を鍛えておいた方がいいかもね」
「はい、わかりました」
「よし、じゃあまた鍛錬の続きをしようか。今度は私も付き合うよ。私も明日死合いがあるし」
「あ……ありがとうございます。よろしくお願いします」
フレインと鍛錬できるのは嬉しい。彼がどのくらいの体力・技術を持っているか見られるし、戦い方の参考になる。狂戦士モードについても教えてもらえるかもしれない。
そう思って、アクセルはフレインと庭に出た。留守番していたピピは、待ちかねたようにこちらに走り寄ってきた。身体は大きいけれど、大喜びでこちらにすっ飛んでくる姿は純粋に可愛らしい。癒される。
「さてと、まずはウォーミングアップで軽くランニングかな。ピピちゃんもついておいで」
そう言って、フレインは広い庭を走り出した。
アクセルも後ろからついて行ったが、何周してもフレインが足を止めないので、だんだん息が切れてきた。
――軽くって、どこが軽くなんだよ……!
もう何キロ走ったかわからない。フレインの体力は一体どうなっているのだろう。
それとも、上位ランカーにとってはこれくらい当たり前なのだろうか。ウォーミングアップでこんな調子じゃ、本格的なトレーニングはついて行けそうにない。
「さてと、こんなものかな」
ようやくフレインが足を止めた時には、アクセルは全身汗だくになっていた。ぜいぜいと何度も深呼吸をしている傍ら、フレインは軽く汗ばんでいる程度である。彼の体力は本当にどうなっているのか。
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