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第739話

「そうなんですか……。じゃあやっぱり急いでランク上げなきゃな……」 「ランクを上げるのは必要だけど、焦っちゃだめだって。お前にセクハラしてくるヤツがいたら、私が片っ端から斬っちゃうし」 「それもありますが、フレインさんに早く追いつきたくて」  そう言ったら、フレインは目を丸くした。そんなに驚かれるとは思わず、アクセルは慌てて言った。 「あ、すみません。何かマズいこと言っちゃいましたか?」 「いや、全然……。変わってないなぁと思って。以前も早く私に追いつきたいからって、真面目に鍛錬してたよね」 「そうなんですか……。覚えてないけどわかる気がします。身近に憧れの人がいると、やる気になりますしね」 「ありがとう。私も、お前に追いつかれないようにしなきゃ……って、密かに鍛錬頑張ったものだなぁ。お互いに切磋琢磨できる人がいるのって幸せだよね」  にこりと微笑み、フレインはレモン水のグラスを置いた。そして武器を持ちながら言った。 「さ、休憩はこれくらいでいいかな。次は素振りと丸太斬りだよ。どっちがより多く斬れるか、勝負だね」 「お、お手柔らかにお願いします……」  その後、二人は陽が傾き始めるまで鍛錬した。  フレインは丸太斬りでも素晴らしい技術を発揮し、投げられた丸太を大小問わず全て小間切れにしていた。アクセルも何とか食らいついていったものの、あらゆる点で自分の未熟さを痛感することとなった。もっと頑張らないとだめだ。 「今日は久しぶりに鍋にしようね」  家に戻り、汗を流したフレインがウキウキと言う。 「お前が復活したら真っ先に鍋をつつこうと思ってたんだよ。お前、何の鍋がいい?」 「何ということもありませんが……以前の俺は何を好んで食べていたんですか?」 「好き嫌いは特になかったよ。出されたものは何でも食べた。私はどちらかというとお肉メインの鍋が好きだったけどね」 「じゃあそれにしましょう。フレインさんの好きな鍋料理なら、俺も好きなはずです」

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