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第779話*
そう囁かれて心臓がドクンと跳ね上がった。ようやく敬愛する兄と繋がれるのかと思ったら、言いようのない感動がふつふつと湧き起こってきて、胸の高鳴りが止まらなくなった。
――この気持ち……以前にも味わったような気がする……。
初めて兄と交わった時は、もちろん緊張した。でもそれ以上に嬉しかったし、幸せだった。好きな人と交わるのってこんなに幸せなことなのかと、初めて思い知ったものだ。生前に叶わなかったことがようやくヴァルハラで叶ったから、余計に嬉しかったのかもしれない。
「兄上……」
アクセルは手を伸ばし、兄の背中に腕を回した。そして消え入るような声で、小さく要求した。
「早く……」
「うん、じゃあ力抜いてて」
兄が身じろぎした途端、窄まりに切っ先がめり込んできた。
「っ……」
そのままじりじり体重をかけられ、一番太い先端が体内に侵入してくる。狭い入口を押し広げるように、硬いものが内部に食い込んだ。下肢の圧迫感も増し、息苦しさも比例して増していく。
「んっ、く……うう……」
「……うん、このまま全部入っちゃいそうだ。行けるところまで行っちゃうから、苦しかったら言いなさい」
こくこくと頷いた瞬間、ずずず……と兄の楔が奥まで入ってきた。
「……ぃぐッ!」
一気に腹の底を突き上げられ、強い衝撃に仰け反った。がくんと顎を跳ね上げ、背中を反らし、全身がびくびく震えてしまう。
――うっ……さすがにちょっと、くるし……!
男の欲望を受け入れたのだ。苦しくならないわけがない。
もともと狭いところに太くて硬いものが入っているせいで、柔らかな内襞が限界まで引き伸ばされ、身体の中がヒリヒリ熱くなっている。凄まじい圧迫感に呼吸もしづらくなり、くらくらと目眩もしてくる。
だけど、「苦しい」とは意地でも言いたくなかった。
ここで弱音を吐いたら、兄は抱くのを止めてしまうかもしれない。「また今度にしようか」と途中で切り上げ、最後までやってくれないかもしれない。
せっかくわがままを言って抱いてもらっているのに、またお預けになるなんて御免だった。
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