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第782話*

 そんな感じで、一人で賢者タイムに入っていると、 「ねえ……お前、それ誘ってるの? それとも無意識?」 「えっ……?」 「無意識だとしたら、相当な魔性だね。お兄ちゃんを惑わせるなんて、困った弟だなぁ」 「あ、いや、そんな……」 「そんな困った子には、ちょっと我慢しててもらおうかな」  兄がニヤリと口角を上げる。何だか嫌な予感がして、違う意味でぞっとしてきた。  何をされるのか内心びくびくしていると、兄は傍らにあった紐を掴み、達したばかりのアクセルの根本に巻き付けてしまった。 「ひッ……!」  いきなり根本を締め付けられ、キリキリした疼痛に襲われる。生理的な涙が溢れ、思わずぽろりと目尻からこぼれ落ちた。 「ああ、嘘……!? 兄上、なんで……!」 「ずっと一人でイきまくっているのも辛いだろう? 今度は私も一緒にイきたいし……こうしておけば、粗相をせずに済むじゃない?」 「そんな……でもこれじゃ……」 「ねえお前、お兄ちゃんが『いいよ』って言うまで我慢できる?」 「っ……」  そう言われて、ドクンと心臓が跳ね上がった。  ――兄上……時々こういう言動をとることがあるような気が……。  これは命令だ。疑問形で問われているが、決して「否」とは言わせない雰囲気がある。普段は穏やかで優しいけれど、ここぞという時は有無を言わさない迫力を出す。  以前にもこんな風にやや強引なことをされた気がするが……結局逆らえず、兄にやられるがまま強烈な刺激に泣き喚いたものだ。うっすらだが思い出した。 「……お返事は?」  再度兄に促され、アクセルはまたぞくっと背筋を震わせた。  根本を縛られながらやられるのはキツい……けど、心のどこかでそうされたがっている自分もいる。兄に苛められるのならそれも快感になると、期待している自分がいる。  我ながら結構な変態かもしれない……と、アクセルは密かに思った。

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