782 / 2203
第782話*
そんな感じで、一人で賢者タイムに入っていると、
「ねえ……お前、それ誘ってるの? それとも無意識?」
「えっ……?」
「無意識だとしたら、相当な魔性だね。お兄ちゃんを惑わせるなんて、困った弟だなぁ」
「あ、いや、そんな……」
「そんな困った子には、ちょっと我慢しててもらおうかな」
兄がニヤリと口角を上げる。何だか嫌な予感がして、違う意味でぞっとしてきた。
何をされるのか内心びくびくしていると、兄は傍らにあった紐を掴み、達したばかりのアクセルの根本に巻き付けてしまった。
「ひッ……!」
いきなり根本を締め付けられ、キリキリした疼痛に襲われる。生理的な涙が溢れ、思わずぽろりと目尻からこぼれ落ちた。
「ああ、嘘……!? 兄上、なんで……!」
「ずっと一人でイきまくっているのも辛いだろう? 今度は私も一緒にイきたいし……こうしておけば、粗相をせずに済むじゃない?」
「そんな……でもこれじゃ……」
「ねえお前、お兄ちゃんが『いいよ』って言うまで我慢できる?」
「っ……」
そう言われて、ドクンと心臓が跳ね上がった。
――兄上……時々こういう言動をとることがあるような気が……。
これは命令だ。疑問形で問われているが、決して「否」とは言わせない雰囲気がある。普段は穏やかで優しいけれど、ここぞという時は有無を言わさない迫力を出す。
以前にもこんな風にやや強引なことをされた気がするが……結局逆らえず、兄にやられるがまま強烈な刺激に泣き喚いたものだ。うっすらだが思い出した。
「……お返事は?」
再度兄に促され、アクセルはまたぞくっと背筋を震わせた。
根本を縛られながらやられるのはキツい……けど、心のどこかでそうされたがっている自分もいる。兄に苛められるのならそれも快感になると、期待している自分がいる。
我ながら結構な変態かもしれない……と、アクセルは密かに思った。
ともだちにシェアしよう!