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第785話*

 中を思いっきり突かれながら口内まで舐られ、くぐもった悲鳴を上げて兄の肩を掴んだ。  その手をやんわり剥がされ、頭の横で縫い留められて、しっかり押さえ付けられる。 「んンッ! んっ、ん……ん――ッ!」  一際強く身体が跳ね、凄まじい解放感が全身を襲った。大波に飲み込まれてしまったかのように、意識がどこかへ連れ去られ、しばらく何も感知できなくなる。自分が極めたのかどうかすら、すぐには気付けなかった。 「アクセル、大丈夫かい?」 「……っ!」  ぺちぺちと頬を叩かれ、アクセルはハッと目を開けた。どうやら快感が強すぎて、イった瞬間数秒だけ失神していたようだ。 「あ……兄上……」 「ふふ、気絶するほど気持ちよかったのかい? お兄ちゃんが極めたの、ちゃんと感じてくれた?」 「え? あ……」  言われて初めて、腹の中に兄の熱が溜まっていることに気付いた。下腹部がやや重くなり、身体がぴくっと痙攣する度に出された遺伝子も一緒に震えているようだった。  兄は少し呆れた目を向けてきた。 「……その様子だと、気付く余裕もなかったみたいだね。残念だなあ」 「す、すみません……」 「じゃあ、次はちゃんと失神せずについてきて。今度はなるべくゆっくりやってあげるから」 「え? ちょっ、兄上待っ……あっ! あっ!」  兄がギリギリまで己を引き抜き、再びズズッ……と最奥を突き上げてきた。  今度は先程のような力強い抽挿ではなく、じっくり焦らすようなペースで腰を動かしてくる。今までと同じスピードで突かれまくっていたらすぐさま気を失っていたかもしれないが、さすがに兄はこの辺りの匙加減が絶妙である。  とはいえ、三回も派手に極めた身としては、ゆっくり攻められるより一度休ませて欲しいというのが正直なところだ。ついていけない程ではないが、快感で頭がボーッとして、少しでも気を抜くと意識が飛びそうになってしまう。 「く、うう……んっ、はうぅ……!」  中を擦られる度に、ぬちゃぬちゃと卑猥な水音が響く。

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