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第927話*

「うぅ……っ、く……」  快感の荒波に溺れそうになりながらも、必死に歯を食いしばり、兄が達するまでひたすら耐える。  せめて快感を散らす方法があればよかったのだが、膝裏に腕を入れられた状態で上から押さえつけられると、アクセルはほとんど動けない。やられっぱなしのまま我慢するのもかなり辛かった。  ――だ……めだ、も……我慢できな……!  絶頂の気配がすぐそこまで迫ってきている。前を縛られているから、また後ろだけでイってしまいそうだ。  ぶるぶると全身を痙攣させ、力の入らない手で兄に縋りつきながら、涙目で訴える。 「兄上、早くしてくれ……! もうイっちゃ……!」 「うん、私も……」  兄がこちらに身体を倒してくる。密着度が上がり、下半身の圧迫感も増した。陰部の疼痛もひどくなったが、今のアクセルにはそれすらも快感でしかなかった。 「んぶぅ……ッ!」  兄に直腸の曲がり角を突かれた途端、一際大きく身体が跳ね上がった。視界が真っ白に灼け、爪先まで強く痺れて、頭の中まで溶けてしまいそうになる。  過度な刺激を与えられ続けていたせいか、いつまでも絶頂感が途切れなくて、快感に呑み込まれたままがくがく痙攣し続けた。  兄の遺伝子が腹に注ぎ込まれたのもわかったが、それを味わっている余裕もない。  ――どうしよう、止まらない……!  いつもなら数秒もすれば治まるのに、今回は全然波が治まらない。一体どうしてしまったんだろう。どうすれば治まるんだろう。怖い……。 「……兄上ぇ……」  泣きながら助けを求めたら、兄はほう……と感嘆の息を漏らした。そして言った。 「すごいね、まだイってる。中がぴくぴくしてるのがわかるよ。後ろだけでイきまくるとこうなるのかな」 「は……あ?」 「まあでも、やりすぎるのもよくないか。こういうのは緩急つけるのが大事だもんね」  わけのわからないことを言いつつも、兄は根本の拘束を解いてくれた。

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