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第928話*

「っ……!」  その途端、堰き止められていた熱が亀頭から噴き出し、パタパタと股間に降り注いできた。  勢いよく迸るのではなくだらだら溢れてくる感じで、これまたいつまで経っても途切れてくれない。出しても出しても止まらないので、さすがに怖くなって震えながら啜り泣いた。 「ああ、なんで……もう、だめ……っ」 「いいんだよ。今までいっぱい溜め込んでたからね。溜まっていたものは外に出て当然。いっぱい出しなさい」 「そんな……ああ、やだ……やだぁっ!」  兄に陰部を扱かれ、残っていた熱を全て搾り取られる。何度か手を上下されて、最後の一滴まで全部吐き出される羽目になった。  解放感だけは凄まじかったものの、イっている最中の身体には過度な刺激で、結局耐えきれずがくりとテーブルに倒れ込んだ。指さえ動かすのが億劫になり、半分白目を剥きながらぴくぴく身体を震わせる。 「……お前、大丈夫? なんかホントに頭吹っ飛んでない?」 「は……はひ……」 「うん、これは本当にちょっと休まないとだめかもな。じゃあしばらく休憩ね」  ずるりと腰を引いていく兄。楔を引き抜かれる動作にも感じてしまい、声も出せないままぴくんと腰を跳ねさせた。  抱えられていた両脚も解放されたが、閉じる気力もなくて、だらんとテーブルの縁に脚を投げ出す格好になる。  ――だめだ、動けない……。  頭がボーッとする。何も考えられない。いろんな水分を放出しすぎたせいか、喉も乾いてきた。何か飲みたい……けど、身体を動かす気力は湧いてこないし……。 「ほら」 「……!」  そこへ、兄が大きめのピッチャーに入れた水を持ってきてくれた。半開きの口に少し注ぎ込まれ、一口分をごくりと飲み込む。ほどよい塩気と甘さがあり、乾いた身体にぐんぐん沁み込んでいった。  なんだろう、これ。いつものハチミツ入りレモン水とは少し味が違う……。

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