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第932話*
「それにお前、普通にしてても敏感だからねぇ……。さっきから盛大にイきまくってるし、これ以上焦らされたら本当に失神しちゃうかも」
「そっ……」
「だからほら、やって欲しいことがあるなら早めに言った方がいいよ? さっきみたいに頭吹っ飛んで白目剥いちゃったら、愉しめるものも愉しめなくなっちゃうし」
「っ――!」
言葉でもさんざん追い詰められ、とうとうアクセルの我慢は限界を突き抜けた。ここまで焦らされてしまったら、ハッキリ口に出してどうにかしてもらわないと収まらない。それは自分が一番よくわかっている……。
「……れて……」
掠れた声で一生懸命頼んだのだが、この期に及んでも兄は意地悪なことをし続けた。
「うん? 何だって? 声が小さすぎてよく聞き取れなかった」
「っ……!?」
「もう一度言ってごらん。誰にでも聞こえるような、ハッキリした声で」
「~~~~っ!」
あんまりな言動に、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
アクセルはぼろぼろ泣きながら、八つ当たりよろしく怒鳴り散らした。
「挿れてくれって言ってるだろっ! わかってるくせに! いい加減にしてくれよ!」
「ありゃ」
「何なんだよさっきから! こんな……こんな意地悪、もうたくさんだ……っ!」
肩を震わせながら、子供のように泣きじゃくる。
本気で泣いていることに気付いたのか、兄が宥めるように髪を撫でてきた。
「ごめんごめん、ちょっと虐めすぎたね。お前が可愛いから、つい……」
「うっ……うっ……」
「それに、ちゃんと言えたしね。ご褒美に、いっぱい気持ちよくしてあげるよ」
そう言った次の瞬間、兄がぐっ……と腰に力を入れてきた。
ほとんど抵抗なくずぶずぶ奥に挿れられ、ようやく一番欲しかったところに刺激が届けられる。
「は……ああぁん!」
待ち望んだ快感に、甲高い嬌声が迸った。大きな甘い痺れがぶわぁっと全身に広がり、びくびく腰が跳ねてしまう。ぽたぽたと床に体液が滴っている音が聞こえて、ようやく自分が昇りつめたのだとわかった。
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