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第943話
気を取り直し、普段着に着替えてリビングに戻ったら、兄の言う通りきちんと後始末がされていた。
アクセルが撒き散らしたはずの白濁や潮は拭き取られ、臭いまでしっかり消されている。さすがに兄は、その辺りの始末が徹底しているようだ。
――ちゃんとステーキ作っといてあげよう……。
そう思いつつ、アクセルはキッチンに入った。食料棚を確認したら先日買った猪肉がまだ残っていたので、それをじっくり焼くことにした。
同時に野菜を大量に切り、ピピが好きな野菜スープを作る。野菜もそろそろなくなってきたので、また市場に買いに行かなければ。
うちは兄といいピピといい、食料を大量消費するやつが多いからなぁ……と内心ボヤいていると、いつの間にやら兄が戻ってきた。
「ステーキできてる?」
「今焼いてるところだよ。もっとゆっくり入っててよかったのに」
「私はお前と違って、後始末が少ないからね。掻き出すようなものもないし」
そんなことを言われ、アクセルは思わず尻をキュッと閉めてしまった。
中に出されたものは全部処理したつもりだが、腹に意識を向けるとまだ白濁が残っているような気がしてくる。兄の太いものを長時間咥えていたせいで、後孔が腫れぼったくなり、何かが挟まっているような違和感を覚えた。
それ自体はいつものことなので今更なのだが、事が終わった後もこうして感覚を引きずってしまうのは困ったものだ。
兄の何気ない台詞だけで下肢がキュンキュンしてくるのも、どうにかして欲しい。
アクセルはどうにか気を紛らわそうと、フライパンに火をつけて猪肉を並べた。大鍋にも野菜を投入し、同時進行でステーキと野菜スープを作る。
暇そうにしている兄にも手伝ってもらって、ステーキに添えるマッシュポテトと簡単なサラダを作り、バゲットを切り出した。
完成した野菜スープを庭に持って行ったら、ピピが大喜びですっ飛んできてこちらに頬ずりしてきた。そうだ、明日にでもピピの身体を洗ってやらなくては。
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