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第958話*
「うう……く……」
玩具に攻められるのはほぼ初めてだ。というか、世の中にこんな道具があるなんて想像したこともなかった。
兄に抱かれる時も道具を使ったことはなかったし――時々紐で拘束されることはあるものの、それ以外はごく普通のプレイばかりだった(普通と言っても、毎回失神しそうなくらいめちゃくちゃにされるが)。
こんな、腹の中にボールをめいっぱい詰め込むことの、どこがトレーニングなんだか意味がわからない。ただ単に苦しいだけではないか。
「うん、全部入ったね。いい感じ」
「うっ……!」
くいっ、と兄が軽く持ち手を引っ張ってきて、危うく中のボールが出そうになった。
入りっぱなしなのも辛いが、ひとつでも排泄したら後のボールもつられて全部出てきてしまいそうだ。それもまた怖い。この状況でボールを出したら、きっと自分は派手に達してしまう。
兄に直接攻められるならまだしも、玩具を咥えてイかされるなんて御免だった。
「あっ……! 兄上、だめ……引っ張らないで……!」
「そうそう、出てこないようにお尻に力を入れて。そのままキープし続けるんだよ」
「えっ……!?」
「そうやってお尻に力を込め続けていれば、一緒に体幹も強化される。これができるようになったら、身体の芯がだいぶ安定するよ」
「そ……そういう道具なのか!?」
「そうだよ。もちろん、単に遊ぶために使うこともあるけど。どうせ鍛錬するなら楽しい方がいいじゃない」
「そ、な……うあっ!」
またくいっ、と持ち手を引っ張られ、アクセルは慌てて尻を締めた。
下腹部に力を込めるのは、腕や脚に力を入れるのとは違って感覚がわかりづらい。どこに力が入ってるかも実感しづらいので、本当にここでいいのか、力の入れ方は間違ってないか……等、不安要素が次々に湧いてきた。
それでも、今ここで排泄するわけにはいかないのでどうにかこうにか尻に力を込めてボールが出てこないよう我慢する。
――これ……軽い拷問じゃないか……?
息を切らしながらテーブルに縋りついていると、兄が驚くべきことを口にした。
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