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第964話*

 そう言ったら、兄はパチパチと目をしばたたかせてこちらを見た。  次の瞬間、中の兄がぐぐっ……と大きく膨張して体内を圧迫してきた。 「うあっ……! ちょ、兄上……くるし……!」 「はは、ごめんごめん。お前があまりにも可愛いこと言うから、つい反応しちゃった」 「んっ……!」  圧迫していたものがずるりと抜けていき、一気に呼吸が楽になる。同時に力も抜けてしまって、アクセルはぐったりと床に身体を沈みこませた。肌がひりひり痺れ、自分の中も物欲しそうにぴくぴく痙攣しているのを感じる。  ――こんな状態で、正面から思いっきりやられるのか……。  しまったな……と、うっすら後悔する。もどかしい気持ちに勝てなくてついおねだりしてしまったけれど、今の状況からガンガンやられてしまったら途中で力尽きそうだ。  というか、体幹を鍛えるつもりだったのに、何でこんなことになっているんだ。一体自分は何をやっているんだ。こんなんじゃ鍛錬にならないことは明白だ。毎度のことながら、まんまとそそのかされてしまう自分に嫌気が差す。 「私の顔を見たいんだよね? よしよし、じゃあお前のリクエスト叶えてあげる」  そう言って兄はこちらを抱き起こし、浴槽の壁に寄り掛からせて両脚を大きく開かせてきた。そしてその間に己をすべり込ませ、勃起した欲望を脚の奥にあてがってくる。  反射的にぞくっと鳥肌が立ち、アクセルは恐る恐る尋ねた。 「あっ……兄上、この状態で……?」 「そうだよ。たまには座ってやるのもいいでしょ」 「そっ……」  座った状態だと、仰向けになるのとはまた違う角度で抉られそうなのだが……。 「ひッ……ぃあああっ! ああぁ!」  一気に奥まで貫かれ、アクセルはがくんと顎を跳ね上げた。いいところを一遍に擦られ、閉じている小径を押し広げられ、直腸の曲がり角を突き上げられる。  自分の身体を知り尽くした兄には成す術もなく、ただやられるがまま喘ぐことしかできなかった。

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