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第977話
いくら下肢が疼いていても、これ以上やられるわけにはいかない。冗談抜きで明日歩けなくなってしまう。
だが兄はわかっているのかいないのか、にこやかにこちらに近づいてきた。
「今更遠慮しなくても。心配しないで、今度は時間かけないから。サクッと発散させてあげるから」
「兄上のそういう発言だけは信用ならん! 自分で何とかするから、兄上は絶対触らないでくれ!」
「ええ、そう? そこまで言うならやめておくけど……お前、一人で発散できるの?」
「えっ……?」
「前を触っただけで上手くイケるのかなぁ? お前のことだから、きっと物足りなくなっちゃうと思うんだ」
「そっ……それは兄上のせいじゃないか! 兄上が俺をこんな……!」
いやらしい身体に開発したくせに、と言いたくなったが、さすがに口にするのは憚られた。これでは自分で自分を「いやらしい」と認めているようなものだ。
一方の兄は弟の葛藤など歯牙にもかけない様子で、腰に手を当ててきた。
「うん、だからお兄ちゃんが責任持って全部面倒見てあげようかと。触るなっていうなら触らないから、自分で発散する方法教えてあげるよ」
「……はっ? どういう意味だそれは」
「そのままの意味だよ。お前には今まで正しい発散方法教えてこなかったし。溜まった時に私が側にいないこともあるだろうから、一人で処理する方法も身につけないとね」
「っ……!?」
「とりあえず、汚れてもいいようにお風呂場に行こうか。大丈夫、私は触らないからさ。そこは約束するよ」
「えっ、ちょ……そんな、俺は……!」
反論も虚しく、あれよあれよと風呂場に連れ込まれてしまう。
短いスカートを穿いた自分が鏡に写り込み、アクセルはかあっと頬を赤くした。すぐに目を反らしたが、一瞬股間が視界に入ってしまった。スカートを僅かに押し上げて存在を主張している。もう恥ずかしすぎて顔から火が出そうだ。
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