988 / 2296

第988話*

 まあいい。後は野となれ山となれ、だ。もし明日歩けなくなったら、兄に作ったスープを持って行ってもらおう。それくらいの責任はとって然るべきである。  そう思って兄を見上げたら、兄は濡れたフェイスタオルをポイッと放り投げ、そのまま続きをやろうとしてきた。拘束されたままの腕には目を向けようとしない。  てっきり腕も解いてくれるものだと思っていたため、アクセルはぎょっとして目を見開いた。 「ちょ、待ってくれよ。こっちも解いてくれ」 「うん? ああ、そっちはまだそのままで。頭の上で腕を縛るの、オーソドックスだけど結構好きなんだよね」 「えっ!? 嘘だろ!?」 「本当だよ。なんかこう、色気がぐっと増すような気がしない?」  そんなこと言われても、兄の性癖はアクセルには理解できない。 「でも俺、縛られるのは好きじゃないんだよ。もう十分縛ったし、いい加減解いてくれ」 「まあまあ。どうせ後で解くことになるんだから、もう少し縛ったままでいいじゃない。腕を上に上げてると、身体がより綺麗に見えて興奮するんだよ」  ……だから、兄の性癖なんてこっちは知ったこっちゃないのだが。 「それにさ……」 「……あっ?」  何を思ったのか、兄はずるりと腰を引いて行った。唐突に楔を抜かれたせいで、緩んだ後孔から残滓が出そうになった。  慌てて入口を閉じたが、今度は兄が濡れた股間に顔を近づけてきた。 「なっ……!? 兄上、何してるんだ!?」 「何って……お前、お腹いっぱいで苦しそうだったからさ。少し、中のものを掻き出しておこうと思って。その方が楽になるでしょ?」 「っ!? ちょ、待ってくれ! それは……あっ!」  せっかく閉じた窄まりに容赦なく指を突き入れられ、アクセルはびくんと腰を跳ねさせた。そのまま中を奥まで掻き回され、出されたものが秘蕾からとろとろ溢れて来てしまう。

ともだちにシェアしよう!