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第991話*

 一番奥を突き上げられた瞬間、視界がチカチカ白く弾けた。腰が大きく跳ね、背中がぐぅっと反り返って、全身の痙攣が止まらなくなる。  ――ああ、もう……。  また挿れられただけでイってしまった。最近こんなのばかりだ。  初めて兄に抱かれた時は挿入されても違和感しかなかったのに、いつからこんなに刺激に弱くなってしまったんだろう。あの頃のピュアな自分が懐かしい。 「っ、っ……」 「ふふ、お前は本当に感じやすくて可愛いね。私がやること全部に反応してくれる。まさに理想そのものだ」 「そ、な……兄上が、そういう風に、俺を……」 「まあね。でもさ、何だかんだでお前もよかったでしょう? 私に抱かれても全然感じずに、痛いだけだったら嫌になっちゃうじゃない」  そりゃそうだ。失神するほどの快楽を味わえるからこそ、アクセルも何だかんだで乗せられてしまうわけだし。  納得しかけているところに、兄が小刻みに腰を動かしてきた。 「あっ、あっ……あぁん」 「こういうのもね、いくらやっても感じられない人もいるんだよ。才能がないのか、相性が悪いのか、はたまたやってる側が下手なのかは知らないけど……とにかく、中を擦っても反応しない人も一定数いるわけ。そういう意味では、お前はちゃんと感じられるようになってくれてよかったよ。これでもし上手く調教できなかったら、お兄ちゃん欲求不満になって浮気しまくってたかも」 「んっ……! あっ、はう……く」  ずん、とまた奥を突かれ、全身に甘い痺れが回っていく。  浮気は――今でもちょっとしてるだろと言いたくなるが(アクセルが棺に入っている時なんか、特に怪しい)、それでも自分が順応しなかった場合と比べれば全然マシなのかもしれない。もし兄との身体の相性が悪かったら……なんて、考えるだに恐ろしい。  自分が淫らになったのは兄に浮気させないためだと思えば、それはそれでアリなのかもしれない……多分。

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