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第994話*

「……ふふ、それも無意識の煽りかい? そんなに腰を揺らして誘ってくるなんて」 「えっ……!? あ、いや、違……」 「やっぱりお前は、無意識の魔性だね。ホント、いくつになっても放っておけないなぁ……」 「あうッ! ひ、や……あぁん!」  揺らめく細腰を掴まれ、思いっきり腹の底を突き上げられる。そのまま強く身体を揺さぶられ、しがみついている腕が落ちそうになった。 「んっ、あっ! はあぁ……っ!」 「心配は尽きないけど、ずっと家に閉じこめておくわけにもいかない……。だからせめて、他の男にちょっかい出されないよう気をつけるんだよ? お前はお前が思ってる以上にモテるんだ。知らない男の前では、絶対に無防備な姿を晒さないこと。……わかった?」 「はひっ……! ああっ、あ」 「こら、もうちょっとちゃんとお返事しなさい」 「はいぃ……! わ、かりました……!」  半ばヤケクソ気味に返事をしたら、兄が優しく髪を撫でてくれた。 「うん、いい子いい子。じゃあ、そろそろフィニッシュといこうか」 「ひ……あぁん!」  奥を突かれながら前まで扱かれ、一瞬頭が吹っ飛びそうになった。後ろを攻められている時に前を弄られては、快感に弱いアクセルはひとたまりもない。  それでも、今ここで気絶するわけにはいかないと自分を奮い立たせ、必死に兄に食らいついていった。浮遊しそうになる意識を引き戻し、振り落とされないよう腰に両脚を絡め、なるべく下肢に力を込めて、絶頂を促すように兄を絞り上げる。 「はあ、いい……」  兄が色っぽい溜息をついて、身体を倒しこちらの唇を塞いできた。  喘いで半開きになっていた口に舌を挿し込まれ、甘い唾液を注ぎ込まれ、柔らかな舌を軽く食まれる。  濃厚なキスで息ができず、理性が霞んでぞくぞくしたものが背筋を這い上がってきた。 「ん、ふッ……ぅんんんん……ッ!」  とうとう堪えきれず、アクセルは兄の下で盛大に熱を噴き上げた。身体が大きく跳ね、頭を反らせて仰け反っているところを、上から強引に押さえ付けられる。

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