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第1081話
「んー、大丈夫じゃない? すぐそこにグロアの施設があるんだし。あそこ、もともと怪我や病気を治す施設でしょ? だったら復活もできるよ、きっと」
「そ、そうなのかな……」
「僕らが復活できるくらいなんだから、神々だって復活できるって。そんなことより、さっさと隠し通路行ってみよー! ここを下りればいいんだよね?」
そういってミューは、早速枯れ井戸に飛び込もうとした。
……が、先程使ったばかりの巨大首切り鎌が入口に引っかかり、どう頑張ってもそれ以上下りられなくなっている。
「あー、もう。スムーズに下りられないの、地味にストレス~!」
と、ミューが腹立ち紛れに鎌を軽く振るった。石を積み上げただけの枯れ井戸の入口は、案の定スパッと真っ二つに割れてしまった。
が、それで入口が広くなったわけではなく、地面に掘られた穴が露出しただけで終わった。
……むしろ、真っ二つにされた石で穴が若干塞がれているんだが。
「んー、しょうがない。邪魔だからこれは置いていこう。鉄球だけでも十分だよね」
ミューが鎌についていた鎖付き鉄球を外す。そして今度こそ枯れ井戸に飛び込んでいった。
「えっ……!? ちょ、まだヤドリギ出してない……!」
アクセルは慌てて枯れ井戸の中を覗き込んだ。
ロープもヤドリギもなしで飛び込んだということは、底まで真っ逆さまに落ちていったということだ。勢いがいいのは感心するが、この枯れ井戸、実際の高さがどのくらいあるかわからない。無事なんだろうか……。
「ちょっとー! あんまり覗き込まないでー! 暗くて周りが見えないー!」
「……えっ?」
薄暗い中で、ミューは井戸の壁に手足を突っ張り、自分の身体を固定していた。そこから下を探りつつ、手足をずらして下りていっている。
本当に自分の身ひとつで下りていて、さすがに度肝を抜かされた。こんな芸当ができるのもミューくらいだろう。
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