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第1091話
こんな過激な本があるなんて思わず、予想外の衝撃に心臓がバクバクしてくる。
――な、な、何だ!? 隠し本棚ってこういう本が置いてあるのか!?
確かにこれは一種のストレス発散に……いや、ならないだろ絶対! こんなの見たら、余計にムラムラして発散したくなっちゃうじゃないか!
それとも、これをオカズにして抜けってことなのか? そういうことなのか!?
混乱してパニックになりかけていると、渡してきたミューがしれっとこんなことを言ってきた。
「あれ? アクセル、こういうの好みじゃないの?」
「好み!? 何でそうなるんだ!? 俺はこういうの今まで一度も見たことないぞ!」
「あれー、そうなんだ? いつもフレインとイチャイチャしてるから、こういうのも見慣れてるのかと思った」
「んなっ……!? か、からかわないでくれ! 俺は別にそんな……」
「でも、なんかちょっと反応してない?」
「ええ!?」
股間を指さされたので、反射的に下肢に視線を落とした。こんなところで反応してしまったら、恥ずかしすぎて死にたくなる。
「ははっ、大丈夫♪ 嘘だよ♪ 真っ赤になっちゃって可愛いねー」
「はっ……!?」
「フレインが『可愛い、可愛い』って自慢してくるのも、わかる気がするよー」
思わず引っぱたきたくなったが、ランキング一位の戦士に手を出しても無駄である。いいように扱われて腹立たしいものの、ここまでついてきてくれた手前、文句も言えない。
仕方なく拳を下ろし、アクセルは声を低くして言った。
「……そんなことより、さっさと次の部屋に行かないか? あまり一ヵ所に長居しているわけにもいかないだろ」
「あー、そうだねー。じゃあこれは片づけて……っと」
秘蔵の本をしまい、本棚を元に戻しているミュー。
やれやれ……と溜息をつき、アクセルは書庫を出た。
廊下を歩いて次の部屋に向かっている時、ミューが少し首をかしげた。
「それにしても、これだけ騒いでるのに誰も来ないねー? 一人くらい見回りに来てもいいものなのに」
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