1103 / 2012

第1103話*

「んぶッ……ぐっ!」  ほとんど根本まで欲望を挿し込まれ、苦しさのあまり脚をばたつかせる。さすがにやりすぎたと思ったのか、兄が少し腰を引いてくれたが苦しさはあまり変わらなかった。  もともと口でするのは得意ではないし、奉仕自体もあまりやったことがない。兄も、そういうことは求めてこなかった。  ということは、口に突っ込んでくる兄は本物ではない……? いやでも、兄のことだから気まぐれに奉仕をさせる可能性は十分あるし、これだけではどうにも判断が……。 「うっ……! んんっ、んっ」  一方的に腰を動かされ、くぐもった悲鳴が漏れた。青臭い味が口いっぱいに広がり、兄のフェロモンが鼻から抜けていく。ただでさえ酸欠でくらくらしているのに、濃厚な雄の香りにめまいがしそうだった。  ――だめだ……頭がボーッとする……。  こんな状況じゃ、誰が本物の兄か区別なんてできない。思考が鈍化し、脳が「快感を貪ること」に傾きつつあり、本能的な欲求が濃くなっていく。余計なことを考えるよりも、もっと気持ちよくなりたいと願ってしまう。 「うう、ん……んふ……」  いけないとわかりつつも、アクセルは舌を動かして肉幹を舐め、空いている手で根本を扱いた。  偽物かもしれないけれど、今味わっている兄は本物と同じ匂いがする。同じ大きさ、同じ硬さ、同じフェロモン……それがこちらを甘く刺激してくる。  全く違う人だったら嫌悪感が募るだけで気持ちよくなれなかっただろうが、全て同じだから何をされても結局は快感に変わってしまう。わずかな理性に反して、身体はどんどんはしたなくなっていく。 「そうそう、いい感じ。だんだん調子が出てきたね、いい子いい子」 「んっ……」 「よしよし、ならもう少し刺激を加えても大丈夫かな」 「うんんん……ッ!」  中に食い込んでいた兄が、ゆっくり腰を動かし始めた。敏感な肉襞を一気に擦られ、全身がびくびく痙攣してしまう。

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