1106 / 2012
第1106話*
「えっ……!? い、いや、俺はもう……」
「お前は何回もイってて気持ちいいだろうけど、私たちは一回ずつしかイってないんだよ。そんなの不公平じゃないか」
「……っ!?」
「今度はバックでやってみようね。正面とはまた違う角度で当たるから気持ちいいよ」
「やっ……!」
ぐっ……と秘蕾に熱いものを押し当てられ、つぷんと先端が侵入してくる。
反射的にぞわわっと鳥肌が広がっていき、アクセルは身をよじって訴えた。
「ま、待ってくれ兄上、もうムリ……!」
「大丈夫、今度は優しくするから。お前のペースに合わせてゆっくりやるよ。安心して」
「そ、じゃなくて、本当に俺……」
「お前だって、まだまだこんなものじゃ足りないでしょ? 頭が吹っ飛ぶくらい、一緒に気持ちよくなろう?」
「いや……あっ、あああっ!」
ずずずっ……と腰を進められ、ほとんど痛みもなく根本まで埋め込まれる。中に出されたもののせいで摩擦係数が減り、ぬるぬると滑らかに楔が入り込んでいった。
「はっ、う……あぁ、あ……」
ぴくぴく痙攣しながら、途切れ途切れの喘ぎ声を漏らす。力の入らない指先でシーツを引っ掻き、逃げるように腰を揺らし少しでも快感を散らそうとした。
「こら、今更逃げるんじゃないの。お前、意外と往生際が悪いね」
「うっ……!」
兄にがっしり細腰を掴まれ、ささやかな逃走でさえ許されなくなる。「優しくする」などと言っておきながらやっていることは全く優しくなく、アクセルはいよいよ意識が朦朧としてきた。
――ああ、もうだめだ……。
これ以上は耐えられない。刺激が強すぎて失神しそうだ。
今気絶したら次に目を覚ました時にどうなっているかわからない……が、本当にもうこれ以上は意識を保っていられない。
「あ、に……う」
意識が途切れそうになる直前、繋がっている兄がびくんと強張った気がした。遠くから何かの雄叫びが聞こえ、それに被さるように複数の悲鳴が響いている。
誰が叫んでいるのかハッキリしなかったが、その雄叫びは兄が戦闘時に叫ぶ声とよく似ていた。
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