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第1180話*

「っ、っ……んっ……」 「そういやお前、今日のお風呂は随分時間かけてたね? もしかして、身体を隅々まで洗ってたとか?」 「っ!? そ、それは……」 「曖昧な態度をとってても、何だかんだでお前も溜まってたんだね。安心したよ」 「そういうわけじゃ……あっ!」  鈴口を親指でぐりぐり刺激され、鋭い嬌声が上がる。  確かに、いつもより念入りに全身を洗っていたのは事実だ。決してそのような意図はなかったが、無意識に準備をしていた感は否めない。兄のことだからきっとこういう展開に持ち込んでくるはず……と、どこかで期待していたのかもしれない。  まったく、我ながらどうかしているな……。 「んっ、っ……あっ、ちょっと……!」  陰部に刺激を加えられながら、下着ごとボトムスを引き抜かれてしまう。あっという間に全裸同然にされ、唐突な恥ずかしさに掛け布団を掴んだ。  それで下半身を隠そうとしたが、あっさりと兄に跳ね除けられ、手首を頭の横で縫い留められてしまう。 「何を恥ずかしがってるの? 今更裸なんて何ともないでしょ?」 「で、でもやっぱりこういう時は……」 「まあ、そうやって過剰に恥ずかしがるところも可愛いけどね。何度抱いても処女みたいで嬉しいよ」 「っ……!」  あからさまな言い方に、余計に恥ずかしくなってきた。  アクセルは赤くなった顔を背け、必死に唇を引き結んだ。この上甲高い声なんか発したら、恥ずかしすぎていたたまれなくなりそうだった。 「んっ、ん、ふ……は……んんっ」  剥き出しになった脚の奥に、兄がずぷ……と指をねじ込んでくる。間を置かず一気に三本も挿入され、強烈な刺激にめまいがしてきた。  甘ったるい痺れが全身を襲い、中心に熱が溜まって痛いくらいに張り詰めてくる。こうなってしまうと、絶頂まで秒読みだ。  ――だ、だめだ……!  咄嗟にアクセルは、自分自身の根元を手で握り込んだ。

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