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第1184話*

 でも、直前で止められたせいで身体は強い刺激に餓えきっている。細胞のひとつひとつが快感を求め狂い、腹の奥までざわざわとした疼きが広がってしまう。  食い締められた陰部もどんどんキツくなり、溜め込んだ熱を先端からとろとろ溢れさせていた。痛々しいほど赤黒く膨張し、今にもはち切れんばかりに震えている。  もう苦しい。楽になりたい。早くイきたい。挿れて欲しい。  頭ではそう叫んでいるのに、どうしても言葉に乗せられず、アクセルはもどかしげに腰を揺らした。 「う、う……あふ……うっ……」 「どうしたの? 早く言ってごらん? 言わないとずっとこのままだよ」 「うぅ……兄上ぇ……」 「もう限界なんだろう? イきたくてイきたくてたまらないんだよね? だったら早く言いなさい」 「で……も……」 「だーめ。今日はちゃんと言うまで許してあげない。私に甘えず、素直に言ってみなさい。さあ、どうして欲しいの?」 「はう、んっ……ふッ!」  再び先っぽだけつぷん、と挿入される。それだけでびくんと腰が跳ね、目の前でチカチカ火花が散った。  もしかしたら軽くイってしまったかもしれないが、アクセルが認識している絶頂には程遠い。こんなんじゃ足りない。  そうじゃなくて、もっと奥を……。最奥の敏感な部分を、硬いものでズン、と……。 「う……うぅ……」  それでもやっぱり言えなくて、アクセルは唇を震わせた。  ぼろぼろ泣きながら兄を見上げてみたものの、兄は表情を変えずにこちらを見下ろしてくるだけ。ハッキリ口にするまで許してくれそうになかった。  そんな意地悪されたって、言えないものは言えないのに……。 「……もう、変なところで強情だなぁ。お前、そんなに意地っ張りだったっけ?」 「だ……だ、って……」 「まったく……しょうがない子だね。こうなったら、お前が素直になるまで待つしかないか」 「え……っ!?」  唐突に兄がスッ……と身体を起こした。何故かそのままベッドを下り、自分から離れて行こうとする。

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