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第1191話*

「まったく……お前は本当に真面目だなぁ。こんな風にどろどろになっても、鍛錬のことを忘れないなんてね」 「うっ……! あ、あ……あぁ……っ」 「私だったら、『まあいいか』ってなっちゃうけど……。そういうところも、私と違って大好き」 「っ――っ!」  ゴリッ、と奥を抉られ、声にならない悲鳴が漏れた。あまりの刺激に、一瞬意識が飛びかけた。  ぶるぶる震えているアクセルを、後ろから兄が撫でてくる。 「じゃあ今日は、お前の真面目さに免じてこれで終わりにしてあげる。強くなることも大事だからね。早く私と死合いできるくらいに、腕を上げておいで」 「う、ん……っ」  アクセルは何度も小さく頷いた。  来月からのランクマッチが、死合いにどう影響するかは未知数である。直接的なランクの変動はないし、それで勝ち進んだところで兄と戦える保障はない。  だけどランクマのために鍛錬すれば、今より更に強くなれることは確実だ。ただでさえ自分は兄より遥かに劣っているのだから、兄より真面目に鍛錬しなければならない。  兄と本気で死合うこと。それがアクセルの長年の夢なのだから……。 「んっ、う……ふあぁ、あ……」 「ああ、そろそろ出そう……。また中でいいよね……?」 「いい、から……はやく……ぅっ」 「……ふふ。そういう受け答えも、煽られてるみたいで大好き」 「うっ……!」  兄が上からガツガツ腰を打ち付けてきた。  兄の欲望は一回目より更に大きく成長し、中を強く圧迫してアクセルを苦しめてくる。  快感の暴力を受け続け、苦しいのか気持ちいいのかもわからなくなりつつあったが、最後まで兄を受け止めようと必死に歯を食いしばった。 「ああ、出る……!」 「うんんん――ッ!」  どぷ……と腹の奥に熱を出され、下腹部の重みが更に増した。  苦しいとも思ったが、同時に表現しがたい幸せがやってきて、満足感と共にふっ……と意識が薄れていく。 「……おやすみ、アクセル。あとはお兄ちゃんに任せて、ゆっくり寝てね」  返事をしたかどうかも覚えていない。  アクセルはそのまま静かに気を失った。

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