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第1204話
「あと、あなた達は無理せず生き残ってください。万が一わたくしが破れても勝利できるようにね。それ以外なら、何をしてもかまいません」
「は、はあ」
……なんだかものすごくざっくりした戦闘方針だ。本当にそれでいいのか。
しかしこれ以上何を聞いていいかわからず、困った顔のまま目を泳がせていると、
「不満そうな顔をしていますね」
横目で見返されて、思わずドキッとした。
慌てて手を振り、弁明する。
「いえっ、決して不満なわけでは……。ただ、その……もう少し真面目に作戦を練った方がいいんじゃないかと思いまして……。せっかくのチーム戦ですし」
「作戦って、どのような作戦です? 具体的な考えでもあるのですか?」
「それは……」
「そもそも作戦というのは、軍隊として統率がとれていて初めて成り立つものです。今回のようにその場しのぎで適当に組まされたメンバーでは、統率も何もないでしょう。誰がどのくらいの力量を持っているかわからないので、作戦の立てようがありません」
「……まあ、それはそうなんですが」
「だいたい、わたくしが命令したところで誰も言うことを聞けないでしょう。聞かないのではなく、聞けないんです。技量的な問題でね。あなただって、『わたくしの真似をして踊れ』なんて言われても、すぐにはできないのではないですか?」
「それは……ええと、すみません」
少なくともアクセルには、先程のユーベルの動きは真似できそうにない。
ユーベルは少し前髪を整えながら、言った。
「であるならば、各々死なないように時間を稼いでもらうのがせいぜいです。欲を言えば五人以上削って欲しいですが……まあ、そこもあまり期待しておりません。ランクマの勝敗はランキングに直接影響しませんし、最初は自由に楽しむ感じでいいのではないですか」
「はあ……まあ、そう……ですね……」
「それで……お話はそれだけですか? ならあなたは、帰ってボウガンの練習でもしていらっしゃい。下手なところに飛ばされるのも御免ですからね」
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