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第1213話

 ――うわぁ……ユーベル様の言ったこと、本当だったのか……。  この場にいない三人が遅刻しているとは思えない。ランゴバルト相手に遅刻できるのは、ミューくらいなものだろう。  一体ランキング何位の者が切り捨てられたのか。アクセルは今真ん中くらいだけど、果たしてランゴバルトのお眼鏡に敵うんだろうか……。 「今日の相手は貴様か、ユーベル」  相変わらず二メートルくらいありそうな図体が、上からユーベルを見下ろしている。大きな羽根飾りが威嚇するかのように揺れていた。 「せいぜい俺を楽しませろよ」 「ご安心を。いつもの武器でなくても華麗に舞ってみせましょう」  そんなユーベルは、全く動じることなく優雅に微笑んでいた。  この二人の達人同士がどんな風に戦いを繰り広げてくれるのか、今から少し楽しみだった。せっかくこんな近くで見るチャンスに恵まれたのだから、露払いなどしていないでじっくり観察したいくらいだ。  ちなみにランゴバルトの武器は、いつもの大戟ではなく弓と手斧である。それもただの弓ではなく、普通より二回り以上も大きくて、矢も槍のように太かった。あんなの、一発でも当たったら即死決定である。  ユーベルの回避力に期待するしかない。 「それでは、ただいまより第一回ランクマッチバトルを開始いたします……」  天からヴァルキリーの声が聞こえてきた。この辺りのアナウンスは、公式死合いと同じみたいだ。 「今回のランクマッチは、飛び道具限定のルールとなっております。違反した場合、その場ですぐに失格・退場となりますのでご注意ください」  なるほど、注意喚起もしてくれるのか。親切なことだ。 「それでは、各チーム所定の位置についてください。十……九……八……」  いきなりカウントダウンが始まり、アクセルは慌ててユーベルを見た。  ――所定の位置ってなんだ!? そんなの決めてないぞ!?

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