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第1216話※
――くそ……如何に生き残るかのサバイバルゲームになってるぞ……!
しかもあろうことか、どちらのリーダーも敵味方関係ない無差別攻撃を放ってくる。敵だから危ない、味方だから安心とかのレベルではなかった。
――こんな猛攻を、あと三〇分近くも耐え続けなきゃならないのか……!
ランクマッチの一試合の制限時間は三〇分である。ここは普段の死合いと変わらない。
試合終了の条件は、「時間が経つ」か「相手チームが全滅する」かの二択だが、ほとんどの場合は全滅で試合終了になると思う。
この状況下で三〇分間も全力で活動し続けることは――狂戦士モードにでもならない限り――まず不可能だし、狂戦士モードになったとしても生き残れる可能性は限りなく低い。どこかのタイミングで四肢が欠損しそうだし、体力も集中力もなくなって途中で狂戦士モード自体が解除されてしまいそうだ。
よって、制限時間まで粘ることはほぼ不可能。こちらが勝利するには、相手を全滅させるしかない。
逆に言えば、相手を先に全滅させてしまえば、味方が何人死んでも帳消しになるということである。
ランゴバルトもそれをわかっているから、ユーベルと対峙するついでに無差別に矢を放ってくる。それで相手の人数を減らせればOK、味方が死んでも自分が最後まで生き残ればよい……と、こういうわけだ。
そしてユーベルも、似たようなことを考えているに違いない。もっともユーベルの場合はそこまで過激ではなく、事前に「頑張って生き残ってください」と応援していたが。
――って、そんなこと言われても……!
ズキン、と脇腹が痛み、距離をとろうとした足が縺れた。先程矢が掠めた部分が地味に痛くて、ただでさえ鈍い身体の動きがより一層鈍くなる。
フィールドの殺気や闘気も終始ビリビリ肌を刺し、呼吸をする度に肺もダメージを受けているような気がしてきた。息苦しくてかなわない。
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